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カチカチ山
咔嚓咔嚓山
翻訳者:中国廣東省恵州学院 陳怡彤
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「琴菜」 琴菜 ASMR
むかしむかし、おじいさんの家の裏山に、一匹のタヌキが住んでいました。
很久很久以前,在爷爷家的后山里,住了一只狸猫。
タヌキは悪いタヌキで、おじいさんが畑で働いていますと、
「やーい、ヨボヨボじじい。ヨボヨボじじい」
と、悪口を言って、夜になるとおじいさんの畑からイモを盗んでいくのです。
它是一只坏狸猫,在爷爷在田里工作的时候,
“呀,走路都走不稳的老头子。走路都走不稳的老头子”
这样说着爷爷的坏话,到了晚上还到爷爷的田里偷番薯。
おじいさんはタヌキのいたずらにがまん出来なくなり、畑にワナをしかけてタヌキを捕まえました。
爷爷实在是受不了狸猫的恶作剧了,就在田里设了陷阱抓住了狸猫。
そしてタヌキを家の天井につるすと、
「ばあさんや、こいつは性悪ダヌキだから、決してなわをほどいてはいけないよ」
と、言って、 そのまま畑仕事に出かけたのです。
然后把狸猫挂在家里的天花板上后说,
“老伴儿啊,这家伙是坏狸猫,所以绝对不可以解开绳子啊”
说完,就去田里干活了。
おじいさんがいなくなると、タヌキは人の良いおばあさんに言いました。
爷爷一走,狸猫就对善良的奶奶说:
「おばあさん、わたしは反省しています。
もう悪い事はしません。
つぐないに、おばあさんの肩をもんであげましょう」
“奶奶,我已经反省了。
我再也不做坏事了。
不要绑着我了,我会给奶奶揉肩膀的”
「そんな事を言って、逃げるつもりなんだろう?」
“说那种事(干嘛),是想逃跑吗?”
「いえいえ。では、タヌキ秘伝(ひでん)のまんじゅうを作ってあげましょう」
“不是,不是。那,我来做个狸猫祖传秘方的馒头吧”
「秘伝のまんじゅう?」
“祖传秘方的馒头?”
「はい。
とってもおいしいですし、一口食べれば十年は長生き出来るのです。
きっと、おじいさんが喜びますよ。
もちろん作りおわったら、また天井につるしてもかまいません」
“是的。
不仅很好吃,而且吃一口还可以增长十年寿命。
爷爷一定会很高兴的。
当然了,做好了之后,再把我绑到天花板上也没关系”
「そうかい。おじいさんが長生き出来るのかい」
“这样啊。爷爷可以增长寿命的啊”
おばあさんはタヌキに言われるまま、しばっていたなわをほどいてしまいました。
奶奶按照狸猫说的,把绑着它的绳子解开了。
そのとたん、タヌキはおばあさんにおそいかかって、そばにあった棒(ぼう)でおばあさんを殴り殺したのです。
一解开,狸猫就袭击了奶奶,并用在旁边的棍棒把奶奶打死了。
「ははーん、バカなババアめ。タヌキを信じるなんて」
タヌキはそう言って、裏山に逃げて行きました。
“哈哈哈、笨蛋老太婆。居然相信狸猫说的话”
狸猫说完,就逃回了后山了。
しばらくして帰ってきたおじいさんは、倒れているおばあさんを見てビックリ。
不久,爷爷回来后,看到倒在地上的奶奶吓了一跳。
「ばあさん! ばあさん! ・・・ああっ、なんて事だ」
“老伴儿!老伴儿!···啊啊,怎么会发生这种事情啊” 。
おじいさんがオイオイと泣いていますと、心やさしいウサギがやって来ました。
在爷爷哇哇地大哭着的时候,来了一只温柔善良的兔子。
「おじいさん、どうしたのです?」
“爷爷,你怎么了?”
「タヌキが、タヌキのやつが、ばあさんをこんなにして、逃げてしまったんだ」
“狸猫,狸猫那家伙,把奶奶打死后,就逃跑了”
「ああ、あの悪いタヌキですね。おじいさん、わたしがおばあさんのかたきをとってあげます」
“啊,就是那个坏狸猫吧。爷爷,我帮你把奶奶的仇人杀了”
ウサギはタヌキをやっつける方法を考えると、タヌキをしばかりに誘いました。
兔子想到了一个杀死狸猫的方法后就邀请狸猫一起去砍柴。
「タヌキくん。山へしばかりに行かないかい?」
“狸猫君。要不要(一起)去山上砍柴啊?”
「それはいいな。よし、行こう」
“听起来不错。好,走吧”
さて、そのしばかりの帰り道、ウサギは火打ち石で『カチカチ』と、タヌキの背負っているしばに火を付けました。
于是,在砍完柴回来的路上,兔子用打火石‘咔嚓咔嚓’(石头摩擦碰撞发出的声音),把狸猫的背后的木柴点燃了。
「おや? ウサギさん、今の『カチカチ』と言う音はなんだい?」
“哎呀?小兔子,刚才那个‘咔嚓咔嚓’的是什么声音?”
「ああ、この山はカチカチ山さ。だからカチカチというのさ」
“哦,这座山叫做咔嚓咔嚓山啊!所以(会发出)咔嚓咔嚓的(声音)”
「ふーん」
“哦~~”
しばらくすると、タヌキの背負っているしばが、『ボウボウ』と燃え始めました。
过了一会儿,狸猫的背后的木柴开始‘轰轰’(火烧得很大发出的声音)地燃烧起来了。
「おや? ウサギさん、この『ボウボウ』と言う音はなんだい?」
“哎呀?小兔子,这‘轰轰’的是什么声音?”
「ああ、この山はボウボウ山さ、だからボウボウというのさ」
“啊啊,这座山也叫做轰轰山啊!所以(会发出)轰轰的(声音)”
「ふーん」
“哦~~”
そのうちに、タヌキの背負ったしばは大きく燃え出しました。
不知不觉中,狸猫背后的木柴就熊熊燃烧起来了。
「なんだか、あついな。・・・あつい、あつい、助けてくれー!」
“怎么总觉得,有点。・・・好热、好热、救命啊!”。
タヌキは背中に、大やけどをおいました。
狸猫的背上有一大片地方被烧伤了。
次の日、ウサギはとうがらしをねって作った塗り薬を持って、タヌキの所へ行きました。
第二天,兔子拿着用辣椒做的外敷药到狸猫住的的地方去了。
「タヌキくん、やけどの薬を持ってきたよ」
“狸猫君,我带了烧伤的药来哦”
「薬とはありがたい。
まったく、カチカチ山はひどい山だな。
さあウサギさん、背中が痛くてたまらないんだ。
はやくぬっておくれ」
“太谢谢你的药了。
真是的,咔嚓咔嚓山真是一座好过分的山哦。
对了,小兔子,我后背疼得不得了。
请快点帮我涂吧”
「いいよ。背中を出してくれ」
“好啊。露出你的后背吧”
ウサギはタヌキの背中のやけどに、とうがらしの塗り薬をぬりました。
兔子在狸猫后背烧伤的地方涂抹了用辣椒做的外敷药。
「うわーっ! 痛い、痛い! この薬はとっても痛いよー!」
“哇,哇~~!痛、痛!这药(让我觉得)好痛哟!”
「がまんしなよ。よく効く薬は、痛いもんだ」
“忍一忍啊。有疗效的药就是会痛的啦”
そう言ってウサギは、もっとぬりつけました。
这么说着的兔子涂的更多了。
「うぎゃーーーーっ!」
“呜啊~~~~啊!”
タヌキは痛さのあまり、気絶してしまいました。
狸猫因为疼得太厉害,晕了过去。
さて、数日するとタヌキの背中が治ったので、ウサギはタヌキを釣りに誘いました。
然后,几天过后,狸猫的后背治好了,于是兔子邀请狸猫去钓鱼。
「タヌキくん。舟をつくったから、海へ釣りに行こう」
“狸猫君。我做了一艘船,(一起)去海边钓鱼吧”
「それはいいな。よし、行こう」
“听起来不错。好,走吧”。
海に行きますと、二せきの舟がありました。
去到海边,有两艘船。
「タヌキくん、きみは茶色いから、こっちの舟だよ」
“狸猫君,你的是棕色的船,是在这边的这艘船”
そう言ってウサギは、木でつくった舟に乗りました。
这样说着,兔子坐上了用木头做的船。
そしてタヌキは、泥でつくった茶色い舟に乗りました。
然后狸猫坐上了用泥做的棕色的船。
二せきの船は、どんどんと沖へ行きました。
两艘船,不断地在海面上越驶越远。
「タヌキくん、どうだい? その舟の乗り心地は?」
“狸猫君,怎样?那艘船坐得感觉怎么样?
「うん、いいよ。ウサギさん、舟をつくってくれてありがとう。・・・あれ、なんだか水がしみこんできたぞ」
“嗯,不错啊。小兔子,谢谢你给我做了船。...咦、怎么感觉好像有水渗进来了”
泥で出来た舟が、だんだん水に溶けてきたのです。
就这样用泥做的船,渐渐地在水里溶化了。
「うわーっ、助けてくれ! 船が溶けていくよー!」
“哇~,救命啊!船要溶化了呀~!”
大あわてのタヌキに、ウサギが言いました。
兔子对着很是慌张的狸猫说。
「ざまあみろ、おばあさんを殺したバツだ」
“活该,这就是你杀了奶奶的惩罚”
やがてタヌキの泥舟は全部溶けてしまい、タヌキはそのまま海の底に沈んでしまいました。
过不久,狸猫的泥船全部都溶化了,狸猫就那样沉入了海底。
おしまい
完
おまけ
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日本昔話を現代っぽくアレンジしたらこうなったシリーズ。
おまけ
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