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12月15日の日本の昔話

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イラスト　「夢宮 愛」　　運営サイト　「夢見る小さな部屋」

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投稿者　「ちょこもち」　　ちょこもち

瓜子姫(うりこひめ)
瓜仔公主

福妹日本童話集 (臺灣客語．海陸腔) 翻譯：鄧文政(ten33 vun55 zhin11)

むかしむかし、あるところに、子どものいないおじいさんとおばあさんが住んでいました。
頭擺頭擺，有隻位所，有一對無子無女个老阿公，老阿婆。

ある日の事、おばあさんが川へ洗濯に行くと、ドンブラコ、ドンブラコと大きなうりが流れてきます。

「おやおや、何て大きなうりでしょう。家へ持って帰って、おじいさんと二人で食ベましょう」
「唉哦！仰恁大个瓜仔，拿轉去摎老阿公共下食。」

おばあさんはうりを拾い上げると、家へ持って帰りました。
老阿婆摎瓜仔拈起來，帶轉屋下去。

うりが大好物なおじいさんは、おばあさんが持って帰ったうりを見て大喜びです。
當好食瓜仔个老阿公，看著老阿婆拿轉个瓜仔，非常歡喜。

「こんなに大きなうりは、初めて見た。・・・よし、わしが切ってやろう」
「恁大隻个瓜仔第一擺看著。・・・好，𠊎來剖開來。」

おじいさんが包丁(ほうちょう)を振り上げると、うりはひとりでにパカッと割れて、中から可愛らしい女の子が飛び出してきました。
老阿公摎菜刀擎高高，瓜仔嗄自家裂開來，裡肚走出一個得人惜个細妹細人仔。

「おや？」
「哦？」

「まあ！」
「啊！」

うりから生まれた子どもなので、名前を『うり子姫』と名づけました。
因為係瓜仔肚降出來个細人仔，斯摎佢安到『瓜仔公主』。

赤ちゃんの頃から可愛い子でしたが、うり子姫は大きくなるにつれてますます可愛らしくなり、やがて成長すると『けしの花』の様な美しい娘になりました。
嬰兒仔个時節當得人惜，瓜仔公主緊大緊得人惜，長大以後像『罌粟花』恁靚。

そのあまりの美しさに、お殿さまがお嫁にほしいと言ってくるほどです。
因為恁靚，國主想愛討姖做餔娘。

うり子姫は機(はた)をおるのがとても上手で、毎日楽しそうに機おりをしながら、おじいさんとおばあさんが帰って来るのを待っていました。
瓜仔公主非常會織布，逐日快樂在該織布，等老阿公，老阿婆轉屋。

ある日の事、うり子姫がいつもの様に一人で機をおっていると、やさしそうな声で戸をたたく者がありました。
某日，瓜仔公主摎往擺共樣，一儕人在該織布，有一儕人在該溫柔个敲門。

「もしもし、可愛いうり子姫や。この戸を、開けておくれ。お前の上手な機おりを、見せてほしいのさ」
「噯，噯，得人惜个瓜仔公主，這門打開來，分𠊎看你織當靚个布仔。」

「いいえ。
「做毋得。」

戸を開ける事は、出来ません。
開門个事做毋得。

もしかすると、あまのじゃくという悪者が来るかもしれないから、誰が来ても決して戸を開けてはいけないと、おじいさんに言われているのです」
「敢怕有壞癖个人會來，麼人來乜毋好開門，老阿公交代過了。」

するとその声は、もっとやさしい声で言いました。
過後，該聲變還較溫柔。

「おやおや、あのあまのじゃくが、こんなにやさしい声を出すものかね。大丈夫だから、開けておくれ」
「唉哦，壞癖个人會用恁溫柔个聲呢，無問題，開門啦。」

「・・・でも、戸を開ける事は出来ません」
「・・・但係，門還係做毋得開。」

「・・・それなら、指が入るだけ」
「・・・該恁樣，手指恁大就好。」

うり子姫は、ほんの少しだけ戸を開けました。
瓜仔公主就打開手指恁大个縫。

するとその声が、またやさしい声で言います。
過後，該聲還係恁溫柔講︰

「ありがとう、お前は良い子だね。
「承蒙你，恁乖个細人仔。」

ほんのもう少し、この手が入るだけでいいからさ」
「加息仔，這手落得來斯好。」

うり子姫は、また少し戸を開けました。
瓜仔公主又打開一滴仔。

「お前は、本当に良い子だね。
「你實在還乖个細人仔呢。」

ほんのもう少し、この頭が入るだけでいいからさ」
「加息仔，這頭那落得來就好。」

うり子姫がまた少し戸を開けると、戸のすきまから頭を突き出したあまのじゃくが、するりと家の中へ入って来ました。
瓜仔公主又打開一滴仔後，對門縫摎頭那伸落來个壞癖人，一下仔就鑽落屋肚。

「けっけけけ。
「咳咳咳咳，」

じいさんとの約束を破って、おれさまを家に入れるなんて」
無守阿公个交代，放𠊎落屋。」

あまのじゃくはうり子姫の着物をはぎ取ると、うり子姫を裏山の柿の木にしばりつけました。
壞癖人摎瓜仔公主个衫褲脫下來，綯在山頂柿仔樹。

それからあまのじゃくはうり子姫の着物を着て、うり子姫に化けて機おりを始めました。
後來壞癖人著等瓜仔公主个衫褲，變做瓜仔公主開始織布。

間もなく、おじいさんとおばあさんが帰って来ました。
無幾久，老阿公，老阿婆轉來了。

「うり子姫や、さびしかったろう」
「瓜仔公主，盡孤栖呵。」

「ええ、とってもさびしかったわ」
「e，非常孤栖。」

うり子姫をお嫁にもらう為に、お殿さまのカゴが迎えに来たのです。
為著愛討瓜仔公主，國主个轎來迎娶了。

「うり子姫や、お殿さまのお迎えが来たよ。これでお前は、何不自由なく幸せになれるよ」
「瓜仔公主啊，國主來迎娶了，以後你會安然自在，幸福過日仔。」

カゴの行列はお城へ向かって、裏山の道を登って行きました。
迎娶个轎陣順等山路行去城肚。

すると柿の木のてっペんで、カラスがこんな声で鳴き出しました。
柿仔樹頂背，烏鴉恁樣叫，

♪カー、カー、カー、カー、かわいそう。
♪嘎ー、嘎ー、嘎ー、嘎ー、衰過。

♪うり子姫は、木の上で。
♪瓜仔公主，在樹頂。

♪おカゴの中は、あまのじゃく。
♪轎肚个係壞癖人。

　みんなはそれを聞みんなはそれを聞いて、うり子姫がしばりつけられている柿の木を見上げました。
大家聽著，臥頭去看綯等瓜仔公主該頭柿仔樹。

「まずい、逃げよう」
「壞蹄了，瀉哦。」

うり子姫に化けたあまのじゃくはカゴから逃げようとしましたが、お殿さまの家来に捕まって首をはねられてしまいました。
變瓜仔公主个壞癖人想愛對轎瀉走，毋過，分國主个管家捉著，斬頭了。

こうして本物のうり子姫がカゴに乗ってお城へ行き、お殿さまのお嫁さんになって幸せに暮らしたのです。

おしまい
煞咧

おまけ
ささずんと昔話講座　第05話【瓜子姫と天邪鬼】

読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。

日本昔話を、ゆっくりの解説でずんちゃんとささらちゃんが学んでいくシリーズ。

おまけ
ささずんと昔話講座　番外編01話【美姫幻談】

読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。

知っているようで知らない日本昔話を、ゆっくりの解説でずんちゃんとささらちゃんが学んでいく動画です。