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12月18日の日本の昔話
稚児岩(ちごいわ)
兒童石
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
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投稿者 「ちょこもち」 ちょこもち
むかしむかし、深沢山(ふかざわやま)と呼ばれるあたりを、どこかの国の殿さまの行列が通りました。
頭擺頭擺,有隻安到深澤山个山,某國國主个隊伍愛經過這隻山。
ちょうど秋晴れの気持ちの良い日だったので、殿さまは馬の背中であたりの景色を楽しんでいました。
堵好,係秋高氣爽、心情當好个日仔,國主騎在馬背囊頂,欣賞脣頭个風景。
殿さまがふと上を見上げると、そばの崖っぷちの上の方に大きな岩があります。
國主忽然間臥頭看往上,脣頭崩崗石壁頂有一隻大石牯。
それを見て、殿さまが言いました。
國主看著這就講︰
「だれか、あの岩を登れる者はおらんか?」
「有麼人蹶得上該隻石牯?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「うん?だれか、おらんか?」
「m24?麼儕,無人嘎?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
家来たちはだまったまま下を向いているばかりで、誰一人名乗り出る者はいません。
該兜管家挶恬恬,頭犁犁,無半儕敢報名。
それもそのはず、もしあんな高いところから滑り落ちでもしたら、命がなくなるからです。
應該係因為,若係對恁高个位所跌下來,命都會無忒。
するとその時、どこからか一人の子どもが現れて、殿さまに言いました。
該當時,走出一個細人仔,摎國主講︰
「お殿さま。わたしが登ってみせますよ」
「國主大人,𠊎來試蹶看。」
子どもはみんなの見ている前で着物のすそをまくったかと思うと、まるでサルのように険しい岩をするすると登っていったのです。
細人仔在大家面前,摎衫尾攎起來,像猴仔樣蹶上危險个石牯頂背。
それを見た殿さまは、大喜びで言いました。
看著該个國主,非常歡喜講︰
「見事、見事じゃ」
「還好,還好。」
殿さまはさっそく、子どもにたくさんのほうびをとらせました。
國主大人煞煞拿當多獎品賞佢。
この子どもは深沢山のお堂に住む稚児(ちご)だったので、それからはこの大岩を『稚児岩』と呼ぶようになったそうです。
這個細人仔係戴在深澤山廟肚个兒童,這隻大石牯聽講斯恁樣分人安到『兒童石』。
おしまい
煞咧
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