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1月6日の小話
平林
♪おはなしをよんでもらう(html5) |
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朗読者 : ごまごま 運営サイト : 昔話が好きなんです |
字の読めない下男(げなん→下働きの男の人)がいました。
ある日、主人に、
「すまないが、お医者の平林先生に、手紙を届けておくれ」
と、頼まれました。
ところが途中で、何と言う名前の医者に行くのか、すっかり忘れてしまいました。
ちょうど、そばを通りかかった坊さんに、
「もしもし、この手紙のあて名は、何と読むのでございましょうか?」
と、尋ねると、坊さんは、
「ふむふむ、これは、『ひょうりん』とも読むし、『へいりん』とも読む。また、『たいらばやし』か、あるいは『ひらりん』か、もしかすると、『一八十の木木(いち、はち、じゅう、の、もく、もく)』と、読むのかもしれんな」
どれも違う様なので下男は困ってしまい、仕方なく教えてもらった読み方を大声で読んで歩きました。
「ひょうりんか、へいりんか、たいらばやしか、ひらりんか、一八十の木木の医者は、どちらかな」
まあ、そのうち見つかるでしょう。
♪ちゃんちゃん
(おしまい)
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