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1月16日の小話
とんちんかん
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投稿者 「フー」 ハーリ・クィン朗読館
「鉄砲(てっぽう)を買ったぞ」
猟師(りょうし)の熊(くま)さんは、うれしそうに横町のご隠居に見せに来ました。
「ほほう、これは良い鉄砲じゃな。で、どのくらいだ」
「三匁(もんめ)二分(→約12グラム)の玉でさあ」
「いやいや、代(だい→代金)の事さ」
「ああ、台は、かしの木さ」
「いいや、値(ね→値段)だよ」
熊さん、変な顔で、
「知らねえのかい? 音は決まっているぜ、『ズドン!』だ」
この様に、物事が行き違いする事を『とんちんかん』と言います。
おしまい
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