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11月12日の小話
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予約ずみ
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「フー」 ハーリ・クィン朗読館
風の神さまを、おまつりしてある神社がありました。
これから旅をする人は、この神社におまいりをしてから旅に出て行くのです。
ある男が、神殿(しんでん)で手を合わせて、
「明日、船で西国に旅立ちたいので、どうぞ西風を吹かせくださいませ」
と、言いながら、いのっておりました。
すると、そばにいた神主さんが、
「それでは出発を、二、三日先にのばしなされ」
と、言いますので、
「いやいや、どうしても明日中に出発したいのです」
と、言うと、
「それでも、明日の西風は、朝来た人が頼んで帰られましたので、品切れです」
♪ちゃんちゃん
(おしまい)
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