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5月28日の世界の昔話
ヒツジ飼いの少年
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※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「やよい」 YouTube
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投稿者 「ひつじも眠る朗読チャンネル」 【眠くなる女性の声で読み聞かせ】おやすみグリム童話集(睡眠用)
むかしむかし、とてもかしこいヒツジ飼いの少年がいました。
その事が王さまの耳に入り、王さまはその少年をお城に呼びつけるとこう言いました。
「わしがお前に、三つの問(と)いを出す。
これにうまく答える事が出来たら、わしはお前を我が子と思って、わしの城においてやるぞ」
すると、少年が言いました。
「その三つの問いというのは、何ですか?」
王さまが、言いました。
「海の中には、水が何てきあるかな?」
「王さま、地球の上の川を残らずせきとめてください。そしたら海の水が何てきあるのか、数えましょう」
こう少年は、答えました。
そこで王さまは、言いました。
「なかなかやるな。では、次の間いじゃ。空には星が、いくつあるかの?」
すると、ヒツジ飼いの少年は、
「どうか、大きな紙とペンをください」
と、言って、用意された大きな紙の上ヘ、ペンで一面に小さな点をうちました。
「出来ました。
空にはちょうど、この紙の上の点と同じ数だけの星があります。
さあ、数えてみてください」
まるで見えないくらいの小さい点で、誰にも数えることが出来ません。
「では、三番目の問いはこうじゃ、永遠というものは、何秒だ?」
すると、ヒツジ飼いの少年が言いました。
「ポンメルンに、ダイヤモンドの山があります。
この山は高さが一里(→やく四キロ)、はばが一里、奥行きが一里あります。
このお山へ百年目ごとに一羽の小鳥がやって来て、くちばしをお山でみがくのでございます。
こうやって小鳥が来てはみがくために、このお山が残らずすりへってなくなった時に、永遠の第一秒がたつのでございます」
それを聞いた王さまは、ヒツジ飼いの少年に言いました。
「お前はこれからは、このお城でわしと一緒に暮らすがよい。
わしはお前を、自分の子どものつもりでみてやるからな」
おしまい
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