福娘童話集 > きょうの百物語 福娘童話集 きょうの百物語 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
 


福娘童話集 > きょうの百物語 > 5月の百物語 > 坊主斬り

5月28日の百物語

坊主斬り

坊主斬り
広島県の民話 → 広島県情報

日本語 ・日本語&中国語

※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

投稿者 : 神栖星花研究所 「神栖星花研究所

 むかし、広島県の東城町(とうじょうちょう)の粟田(あわた)にある大奥寺(だいおうじ)のお坊さんが、竹森の庄屋(しょうや)の名越家(なごしけ)の法事(ほうじ)に招かれて、大変なもてなしを受けました。
 この当時は大飢饉(だいききん)で村人の多くが飢え死にしているというのに、大金持ちの名越家の蔵(くら)には十分すぎるほどのたくわえがあったのです。
 中でも大好物のそばが山盛り出された時には、お坊さんは飛びあがらんばかりに喜んで、とにかく食べられるだけのそばをかき込んだのです。
 お坊さんがあまりにも夢中で食べ続けたので、帰る頃にはすっかり日が暮れてしまいました。

「ふーっ、さすがに食い過ぎたか」
 お坊さんが大きなお腹をさすりながら竹林から粟田へ抜ける峠へとさしかかりますと、やせ細った二人の侍が目の前に立ちはだかりました。
 そして侍は異様に光る目で、お坊さんの大きなお腹を見すえると、
「法事の帰りらしいが、何やらたらふく食ってきた様だな」
と、話しかけました。
「ああ、うまいそばを、山ほど食ってきた」
「そうか、あるところにはあるものだな。・・・して、一つ聞くが、坊主の仕事は人を助ける事だな」
「いかにも」
と、いうお坊さんの返事を聞くなり、後ろへ回った侍の一人が、
「坊主、許せ!」
と、一声叫んで、お坊さんを斬り殺してしまいました。
 そしてもう一人の侍がお坊さんのお腹を斬り裂き、中から血だらけのそばをかき出しました。
 それからそのそばを小川へ持って行くと、血を洗い流しながらものすごい勢いで食べ始めたのです。

 それ以来、この峠は『坊主斬り』と呼ばれたそうです。

おしまい

前のページへ戻る


     5月28日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
花火の日
きょうの誕生花
鈴蘭(すずらん)
きょうの誕生日・出来事
1987年 渕上舞(声優)
恋の誕生日占い
おしゃれとお笑い好きなクラスのムードメーカー
なぞなぞ小学校
火を付けると生まれる花は?
あこがれの職業紹介
店舗デザイナー
  5月28日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
でこ鼻、手長、足長
きょうの世界昔話
ヒツジ飼いの少年
きょうの日本民話
うそ五ろうとはねおうぎ
きょうの日本民話 2
稲妻大蔵(いなづまたいぞう)
きょうのイソップ童話
ビーバー
きょうの江戸小話
みょうが宿
きょうの百物語
坊主斬り

福娘のサイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日などを紹介
福娘童話集
日本最大の童話・昔話集
さくら SAKURA
女の子向け職業紹介など
なぞなぞ小学校
小学生向けなぞなぞ