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7月25日の世界の昔話
子どもをうむなべ
ロシアの昔話 → ロシアの情報
むかしむかし、いたずらのとても好きな男がいました。
そのいたずら好きの男の隣には、けちで欲張りな男が住んでいます。
ある日、いたずら好きな男は隣の欲張り男をからかってやろうと思い、なべを借りに行きました。
「すみませんが、お客さまが来るので、なべを貸してくれませんか?」
「とんでもない! 人に貸すようななべはないよ」
「頼むよ。お礼はするからさ」
「・・・お礼か」
お礼と聞いて、欲張り男はなべを貸してくれました。
次の日、男は借りたなべの上にもう一つ小さななべを乗せて、欲張り男のところへ行きました。
そして、欲張り男に言いました。
「借りたなべは、どうやら女だったらしい。昨日、わしの家でこの小さななべを産んだよ」
そのとたん、欲張りはニコニコして、
「そいつはありがたい。わざわざ届けてくれてありがとう」
と、二つのなべを受け取りました。
それからしばらくして、男はまた欲張り男のところへなべを借りに行きました。
すると欲張り男が、なべを渡しながら言いました。
「どうもこのなべは、また子どもを産みそうなんだ。しかも今度は双子らしい。子どもが生まれたら、必ず全部持ってきてくれよ」
「わかった。約束するよ」
ところが男は、いつまでたってもなべを返してくれません。
欲張り男はがまん出来ずに、男の家へ行きました。
「おい! どうしてなべを返さないんだ? 双子のなべと一緒に、すぐ返してくれ!」
すると男は、悲しそうな顔で言いました。
「いやあ、お気の毒だが、あんたのなべは双子を産むのに苦しんで、そのまま死んでしまったよ」
おしまい
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