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6月26日のイソップ童話

ロバのかげ

ロバのかげ

 ある人が、遠くの町へ行くために、ロバ(→詳細)とロバ引き(→詳細)をやといました。
 その日は、太陽がカンカンで、とても暑い日でした。
 旅人は、一休みしようとロバを止め、日差しから逃れるために、ロバのからだのかげへと、もぐりこみました。
 しかし、あいにくロバのかげは、一人分のスペースしかありません。
 すると馬方がいいました。
「あんたに貸したのは、ロバだけで、ロバのかげは、あんたにかしてない。かげはわたしの物だ」
 すると旅人も。
「そんなことはない。ロバをかりたと一緒に、ロバのかげもかりたのだ」
「いや、かしてない!」
「いや、かりた!」
 口げんかは、そのうちに、なぐりあいのけんかになりました。
  すると、ロバは、
「やれやれ、今のうちに逃げよう」
と、けんかのすきに、どこかへ逃げて行ってしまいました。

 ささいなことであらそっているうちに、大切な物を失うことは、よくあることです。

おしまい

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