|
むかしむかし、ネズミの一家がいました。 父さんネズミと、母さんネズミと、一人娘のチューコです。 「ねえ、お父さん。そろそろチューコにも、お婿さんを見つけなくてはなりませんね」 「そうだな、チューコは世界一の娘だから、世界一のお婿さんを見つけてやらないとな。ところで世界一強いのは、やっぱりお日様だろうな」 父さんネズミと母さんネズミは、お日様のところへ行って頼んでみました。 「世界一強いお日様。チューコをお嫁にもらってくれませんか?」 そこで父さんネズミと母さんネズミは、雲のところへ行ってみました。 「そりゃうれしいが、風はわしより強いぞ。わしを簡単に吹き飛ばしてしまうからな」 そこで父さんネズミと母さんネズミは、風のところへ行ってみました。 「そりゃうれしいが、壁はわしより強いぞ。わしがいくら吹いても、わしをはね返してしまうんじゃ」 そこで父さんネズミと母さんネズミは、壁のところへ行ってみました。 「そりゃうれしいが、わしよりも強いものがいるぞ。それはネズミじゃ。ネズミにかじられたら、わしもお終いだからな」 「何と! 世界で一番強いのは、わしらネズミだったのか」 そこでチューコは、めでたくネズミのお嫁さんになりました。 おしまい |
|