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3年生のイソップ童話(どうわ)

ごちそうに招(まね)かれたイヌ
ある人が、友だちをもてなすつもりで、ごちそうのしたくをしていました。
その人のかっているイヌは、自分も友だちのイヌに、
「きみ、ぼくのところへ、ごちそうを食べにきたまえ」
と、いって、招待(しょうたい)しました。
招(まね)かれたイヌは、ほくほくしてやってきました。
そして、いっぱいにならんだごちそうを見て、心の中で、
「すごいなあ。ぼくのために、こんなうまそうなものが出てる。夢(ゆめ)のようだなあ。ようし、腹(はら)いっぱいどんどん食べて、あしたも一日中、腹(はら)がへらないようにしてやろう」
と、考えながら、しきりにしっぽをふっていました。
友だちのイヌを信用(しんよう)しきっているので、ぜんぶ自分のためのごちそうだと思っていたのです。
その家のコックは、さかんにしっぽをふっているイヌをみつけたとたん、足をつかまえて、窓(まど)の外にぽんと放り出(ほうりだ)してしまいました。
イヌはキャンキャンなきながら、逃(に)げかえりました。
そのとちゅうで、ほかのイヌたちにあいました。
中の一ぴきが、
「きみ、ごちそうはどうだったの?」
と、聞きますと、このイヌは、本当のことをいうのがはずかしいので、
「いやあ、お酒(さけ)を飲(の)みすぎて、すっかりよっぱらってしまってね。どこからどうやって出てきたか、おぼえていないくらいなんだ」
この話は、人のいうことを、自分のいいようにかんちがいすると、このイヌのように、痛い目にあうということを、おしえています。
おしまい

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