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3年生のイソップ童話(どうわ)

牛追(うしお)いとヘラクレス
牛追(うしお)いが、ある村をめざして、荷車(にぐるま)をひかせたウシを追(お)いたてていきました。
そのうち、深(ふか)いみぞに車がはまって、うごかなくなりました。
しかしこの牛追(うしお)いは、車を押(お)しあげようとするかわりに、その場につっ立って、なんにもしないで、ただ、神(かみ)さまの中でもいちばん好きなヘラクレスに、
「どうぞ助(たす)けて下さい」
と、おいのりするだけでした。
ヘラクレスはこの男の前にあらわれて、こう言いました。
「さあ、おまえのその手を車にかけろ。ウシにむちをあてろ。自分で努力(どりょく)しないうちに、神(かみ)の助(たす)けなどもとめるな。自分でやってみもしないで、助(たす)けてくれといったって、神(かみ)が助(たす)けるはずはないぞ」
自分で努力(どりょく)しようとせず、他人(たにん)をあてにする人間には、だれも力を貸(か)してくれません。
おしまい

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