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4年生の江戸小話(えどこばなし)

キツネつき
むかしむかし、キツネが人に取りついて、よくいたずらをしたものでした。
ある店のこぞうさんにキツネがついてしまい、こぞうさんは、わけのわからぬことをいったり、したりしました。
お店の主人はこまって、神主(かんぬし→神社に勤(つと)める神職(しんしょく)の長)さんにおはらいをしてもらったり、お坊(ぼう)さんにお経(きょう)をあげてもらったりして、ようやく、こぞうさんに取りついていたキツネを追い出しました。
ところが、キツネを追い出したのに、こぞうさんは、まだ、ぼんやりしています。
主人は、腹(はら)を立てて、
「おまえは、キツネがついてから、ひどいアホになったな」
と、いうと、とりついていたキツネが窓(まど)からひょいと顔を出し、
「あたしのせいじゃありませんよ。それは、もとからです」
おしまい

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