福娘童話集 > きょうのイソップ童話 > 3月のイソップ童話 > 王さまライオン
3月3日のイソップ童話
王さまライオン
♪音声配信
亜姫のイソップ童話より
あるライオンが、王さまになりました。
それは、おこりっぽくもなく、ざんこくでもないし、らんぼうものでもなくて、まるで人間と同じようにやさしくて、公平な王さまでした。
この王さまライオンは、動物たちがおたがいにゆるしあって仲なおりするように考え、あるとき、すべての動物をよびあつめました。
「よいか、オオカミはヒツジにあやまれ、ヒョウはカモシカに、トラはシカに、イヌはウサギに、みんなあやまって、これからはなかよくくらせ」
王さまライオンがこう言いますと、おくびょうもののウサギは、すっかりかんげきしてさけびました。
「まあ、わたしのように弱いものが、強くてらんぼうなけだものに大事にしてもらえるなんて。本当に、こういう日が来ることを、いままでどれほど願っていたかしれません」
正義が国を支配して、さいばんが正しくおこなわれれは゛、弱い人々も安心してくらせるというものです。
おしまい