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2009年 4月29日の新作昔話

きっちょむさんの水風呂

きっちょむさんの水風呂
吉四六(きっちょむ)さん → 吉四六さんについて

 むかしむかし、きっちょむさんと言う、とてもゆかいな人がいました。
 ある時、きっちょむさんは大勢の百姓たちと一緒に米を馬に積んで、年貢を納める為に役人の所へ向かいました。
 この日はとても暑い日だったので、みんなへとへとでした。
 特に馬は重い米だわらをつけているので、可哀想なほど苦しそうです。
 でも、もう少し行くと、いつも水をたたえている小さな泉があります。
 あまり水は良くないので人は飲めませんが、馬なら大丈夫です。
「もう少しだ、がまんしろよ」
 みんなはそれぞれ自分の馬をいたわりながら、山道を進みました。
 そしてやっとの事で、その泉に到着したのです。
「さあ、はやく飲みな」
 先頭の百姓が、馬を泉のそばに引き寄せましたが、
「あっ! ・・・なんてことだ!」
 長い日照り続きだったために、泉の水が減って、もう少しというところで馬の口が水に届かないのです。
「おい、だれかおけを持っていないか?」
「・・・・・・」
 しかしだれも、そんな用意はしていませんでした。
 百姓たちは、かわるがわる自分の馬で試してみましたが、どの馬ももう少しのところで届きません。
「やれやれ、これは、弱った」
「このまま水も飲ませずに無理をすれば、馬が倒れてしまうぞ」
 みんなが困っていると、きっちょむさんが前に進み出て言いました。
「おいみんな、ちょっと待ってなよ。おれがうまく馬に水を飲ませてやるから」
 そしてきっちょむさんは着物を脱いで、裸になりました。
「きっちょむさん、もしかして掘るつもりか? いくら掘っても、水はわかないよ」
 みんなはそう言って笑いましたが、でもきっちょむさんは、かまわずに泉の中に飛び込んで首までつかると、向う側に身を寄せました。
「うひゃーーっ、ちょっと冷たいが、こりゃいい気持ちだ。さあ、これで水かさが増したぞ。もう何人かが手伝ってくれりゃあ、馬の口が届くはずだ」
 それを聞いたみんなは、ようやくきっちょむさんはの考えがわかりました。
「なるほど! 掘るんじゃなくて、飛び込んで水かさを増したのか。これは名案、さすがはきっちょむさんだ。よし、わしらも手伝うぞ」
 ほかの百姓さんたちも裸になって泉に飛び込んだお陰で、馬は無事に泉の水飲むことができたのでした。

おしまい

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