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福娘童話集 > きょうの新作昔話 > あの世の結婚式に出席した若者

2010年 12月3日の新作昔話

あの世の結婚式に出席した若者

あの世の結婚式に出席した若者
フランスの昔話フランスの情報

 むかしむかし、あるところに、兄弟の様に仲の良い二人の若者がいました。
「結婚する時は、お互いに招こうね」
「ああ、もちろんだとも。どんな事があっても、必ず呼ぶよ」
 二人は、そう約束をしていました。
 ところが間もなく、一人の若者が病気で死んでしまったのです。
 残された若者は、死んだ友だちのお葬式を心を込めてやりました。
 やがてその若者に、結婚相手が見つかりました。
 若者は約束した通り、死んだ友だちにその事を知らせに行きました。
「ぼく、結婚するんだ。式には来てくれるかい?」
 お墓の前で大きな声で言うと、死んだ友だちが生きている時と変わらない姿で現れて、友だちに言いました。
「それはおめでとう。もちろん行くよ。花嫁を教会に連れて行く役は、ぼくが引き受けよう」

 さて結婚式の日、友だちは約束通り花嫁の家に現れました。
 でもその姿は、花嫁と若者にしか見えません。
「あれ? 花嫁がたった一人で行くよ」
「でも、見えない誰かと歩いているみたいだ」
 人々は、とても不思議がりました。
 結婚式が終わると、死んだ友だちが言いました。
「実は、ぼくもあの世で結婚しようと思うんだ。式には来てくれるかい?」
「もちろんさ。でも、どうやって行けばいいの?」
「大丈夫さ。お墓の横の細い道で待っていてくれれば」
 その日、若者が言われた通りお墓へ行くと、白い馬がくらを乗せて待っていました。
 若者が馬に乗ると、馬は矢の様な勢いで走り出しました。
 あの世での友だちの結婚式は、三日の間続きました。

「じゃあ、ぼくはそろそろ帰るね」
 死んだ友だちに別れを告げた若者は、再び白い馬に乗って家に帰りました。
 するとどうした事か、家はボロボロで誰も住んでおらず、村には妻も村人も、知っている人が誰もいないのです。
 それもそのはずで、若者があの世の結婚式に出席した三日間に、この世では三百年も過ぎていたのです。

おしまい

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