福娘童話集 > 新作の紹介 福娘童話集 きょうの新作昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
     6月11日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
雨漏り点検の日
きょうの誕生花
紅花(べにばな)
きょうの誕生日・出来事
1965年 沢口靖子(俳優)
  6月11日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
絵から抜け出した子馬
きょうの世界昔話
ガリバーの冒険
きょうの日本民話
旅の泥棒
きょうのイソップ童話
ウシとガマ
きょうの江戸小話
かま泥棒
きょうの百物語
鬼の住むほら穴
 


福娘童話集 > きょうの新作昔話 > 生類憐れみの令「ヒヨコを食べたネコを殺した罪」

2012年 6月11日の新作昔話

生類憐れみの令「ヒヨコを食べたネコを殺した罪」

生類憐れみの令「ヒヨコを食べたネコを殺した罪」
東京都の民話東京都について

 むかし、徳川幕府の五代将軍綱吉が、
《生き物の命を、あわれんでやらねばならない。むやみに殺した者は、重く罰する》
と、いう内容の『生類憐(しょうるいあわれ)みの礼』という、ひどい法律を作った事がありました。
 この法律のおかげで、犬やネコをいじめるのはもちろんの事、魚を食べても虫を殺しても罪になったのです。

 さて、江戸の下町に住む、家主の兵左衛門(ひょうざえもん)が、
「やとい人の若い男が、家で飼っているネコを殺しました」
と、番所へ届け出ました。
 兵左衛門の家で働いている七兵衛(しちべえ)は、前の日に二羽のヒヨコを知り合いからもらってきて、家主の家で飼い始めたのです。
 ところがすぐに、一羽のヒヨコが家主のネコに食べられてしまったのです。
「こらっ! なにをする!」
 怒った七兵衛がネコをしかりつける為に叩いたところ、打ち所が悪かったのか、ネコはそのまま死んでしまいました。
 家主の兵左衛門は七兵衛の話を聞いて、どうしたら良いか悩みました。
 この頃は、犬やネコを殺した者は、死刑になるのが当たり前だったからです。
 七兵衛は兵左衛門に、泣いて頼みました。
「家主さま、お願いです。
 この事は、秘密にしてください。
 でないとわたしは、死刑です。
 どうか、お願いいたします」
「・・・そうは言っても」
 下手に番所へ訴えれば、七兵衛はもちろんの事、ネコの飼い主である自分も罰せられるかもしれません。
 でも、ネコを殺した事を隠しているのがばれたら、二人はもっとひどい罰を与えられるのです。
「七兵衛、すまん。
 かばってやりたいが、隠しているのがばれたら、わしや、わしの家族にもおとがめがあるかもしれん。
 許してくれ」
 兵左衛門は仕方なく、番所へ届け出たのです。

 届け出るとすぐに取り調べの役人たちが兵左衛門の家へ走って来て、届け出に間違いがない事がわかると七兵衛を後ろ手にしばりあげて、ろうやに連れて行きました。
 そこで七兵衛は七日間、ろうやに入れられた後、役人のお裁きを受ける事になりました。
「ネコを殺して、死罪とは。おれの人生も、これまでか」
 七兵衛は死刑を覚悟しましたが、意外にも七兵衛へのお裁きは、
「ネコを殺した罪により、江戸の町から追放する」
と、江戸の町から追い出されただけだったのです。

 これは、七兵衛が殺したネコがヒヨコの命をうばった、悪いネコだった為だといわれています。

おしまい

ページを戻る

新作の紹介メニュー

福娘童話集

新作の紹介
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
女の子応援サイト さくら
職業紹介・誕生日占い・おまじないなど
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識