ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >にほんむかしばなし(日本民间故事) >一月 
        
      竹から生まれた女の子 
        竹子中生出的女孩 
           
          (鳥取県の民話) 
          (鸟取县的民间故事) 
           
      翻訳者 信陽師範学院  郭菲菲 
      
      ・日本語 ・中国語 ・客家語 
         
・日本語&中国語 ・日本語&客家語 
       むかしむかし、あるところに子どものいない、おじいさんとおばあさんが住んでいました。 
         很久很久以前,有一个地方住着两位没有孩子的老爷爷和老奶奶。 
         
        「なあ、ばあさん。わしらにも子どもがあると、どんなにいいだろうね」 
        “哎,老太太,如果我们有孩子的话,该多么幸福啊!”老爷爷对老奶奶说。 
         
        「そうですね。でも、わたしもおじいさんも年ですから、もう無理ですね」 
        “是啊,但是我和你都上了年纪,已经不可能有孩子了。” 
         
        「そうだな。寂しいことだ」 
        “也是啊,真凄凉啊~” 
         
         そんなある日の事、おじいさんが山へ竹を切りに行くと、何と竹の切り口から小さな女の子が飛び出して来たのです。 
         这是某一天发生的事。老爷爷去山里砍竹子,不知怎的从竹子的切口里出现了一个小女孩。 
         
        「おおっ、これは神さまが授けて下さったに違いない」 
        “啊!这一定是神灵赐给我们的!” 
         
         おじいさんは大喜びで女の子を家に連れて帰ると、それはそれは大切に育てました。 
         老爷爷非常高兴的把这个女孩带回了家里,并且很珍惜的养育她。 
         
         女の子はすくすく育って、やがてとてもきれいな娘になりました。 
         女孩茁壮成长着,不久之后长成了一位很漂亮的女孩。 
         
         
         ある日、娘が言いました。 
         有一天,女孩说: 
         
        「おじいさん、おばあさん、わたしに機織り(はたおり)をさせて下さいな」 
        “爷爷奶奶,请给我一台织布机吧。” 
         
        「ああ、いいとも、いいとも」 
        “啊,好的好的。” 
         
         おじいさんはさっそく町へ行って、機織り道具を買いました。 
         老爷爷立刻去镇上买了织布的工具。 
         
         そして娘は、機織り道具を自分の部屋に置いてもらうと、 
         然后女孩把织布的工具放进自己的房间,并请求他们说: 
         
        「お願いですから、どんな事があっても、機を織るところを見ないで下さいな」
        と、頼みました。 
        “我恳求爷爷奶奶,无论发生什么事,我织布的时候请不要看。” 
         
         
         それから何日かして、娘は出来上がった布をおじいさんに渡して言いました。 
         从那天开始过了几日,女孩把织好的布交给老爷爷并说: 
         
        「これを、町で売って下さいな」 
        “请把这些布拿到镇上去卖吧。” 
         
         その布は、たちまち高いお金で売れました。 
         这种布不一会儿就卖了很多钱。 
         
         おじいさんは布が出来るたびに町へ売りに行き、たくさんお金をもらって帰ってきました。 
         老爷爷每次拿着织好的布去镇上卖,都会卖了很多钱回家来。 
         
         おかげで貧しかった家も、みるみるお金持ちになりました。 
         多亏了女孩,这个贫困的家转眼之眼也变成了有钱户。 
         
        「それにしても、何て不思議な布だ。売った人に聞いたが、あの布で着物を作ると心まで温かくなるそうな」 
        “不过,这是多么不可思议的布啊。听卖布的人说,用这种布做成衣服,好像心中都会变得很温暖。” 
         
        「ほんにのう。いったい、どうやってあんな布が織れるのでしょうね」 
        “真是呢,究竟怎样织成那样的布的呢?” 
         
         おじいさんとおばあさんが、そのわけを娘に尋ねても、 
         即便老爷爷和老奶奶因此而问女孩,但女孩只是说: 
         
        「はい、『おじいさんもおばあさんも幸せなれます様に』と、神さまにお祈りをして、一生懸命織るだけですわ」と、言うばかりです。 
        “嗯,我只是向神灵祈祷爷爷和奶奶能生活的幸福,然后努力地织布而已。” 
         
         でもある日、とうとう我慢出来なくなった二人は娘との約束を破って、こっそり娘の部屋を覗いたのです。 
         但是有一天,终于忍不住的两个人打破了和女孩的约定,偷偷地看了女孩的房间。 
         
         すると、どうでしょう。 
         于是,发生什么事了呢? 
         
         部屋の中では小鳥が一羽、自分の柔らかい羽を抜いて、それを布に混ぜながら機を織っていたのです。 
         发现房间里面有一只小鸟在拔自己柔软的羽毛,把羽毛和布混在一块用机器织。 
         
         小鳥はすっかりやせこけて、羽はすっかりボロボロです。 
         小鸟瘦骨嶙峋,羽毛掉完了。 
         
        「まさか、あの娘が小鳥だなんて」 
        “难道那个女孩是小鸟?” 
         
         二人は思わず、顔を見合わせました。 
         两个人不由得面面相觑。 
         
         その途端、小鳥は、「ピィー」と、悲しそうに鳴き、そのまま外へ飛び出して山の方へ飛んで行きました。 
         那时,“啾~”伴随着悲哀的鸣叫,小鸟就飞往山的那个方向去了。 
         
        「ああ、娘や。約束を破って悪かった。謝るから、帰って来ておくれ」 
         即使他们说“啊!女儿啊,打破约定是我们不好,我们道歉,你就回来吧。” 
         
         でも、小鳥は二度と帰っては来ませんでした。 
         但是,小鸟也不会再回来了。 
         
         こうしておじいさんとおばあさんは、また子どものいないさびしい毎日を送る様になりました。 
       这样老爷爷和老奶奶又变得没有孩子了,每天都寂寞的生活着。 
              おしまい 
      完结 
         
        (回到上一页) 
         
        
          |