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7月8日の日本の昔話
どじょうのなべ
鰗鰍鑊
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、きっちょむさんと言う、とんちの上手な人がいました。
頭擺頭擺,有一個安到吉四六先生个人,當伶俐。
ある日の事、きっちょむさんは町のとうふ屋に行って、とうふを一丁買いました。
某一日,吉四六先生去街路一坎豆腐店買一垤豆腐。
その帰り道、たくさんのドジョウをつかまえた若者たちがドジョウをなべに入れて、これからドジョウ汁を作ろうとしているところに出会いました。
在轉个路項,堵著一群捉著當多鰗鰍仔个後生人,摎鰗鰍仔放落鑊肚,按算煮鰗鰍湯。
なべの中をのぞいてみると、おいしそうなドジョウがたくさん泳いでいます。
看著鑊肚,有盡多盡好食樣个鰗鰍仔在該泅來泅去。
(うまそうな、ドジョウだな。何とかして、あのドジョウを手に入れたいが。・・・そうだ!)
(看起來當好食樣个鰗鰍仔哪。想辦法得著該兜鰗鰍仔...有了!)
名案を思いついたきっちょむさんは、若者たちに頼みました。
想出一隻好計謀个吉四六先生去拜託後生人。
「すまんが、このとうふも、ついでに煮てもいいかな?」
「失禮,這豆腐乜做得共下煮無?」
「ああ、煮るぐらい、勝手にすればいい」
「啊,做得,儘採煮一下。」
「それは、すまん事で」
「該就麻煩你。」
おしゃべりに夢中な若者たちは、きっちょむさんの悪だくみに気づきません。
專心打嘴鼓个後生人並無注意著吉四六先生歪心想法。
きっちょむさんがとうふを入れてしばらくすると、なべのお湯がどんどん熱くなってきました。
吉四六先生摎豆腐放落鑊無幾久,鑊肚个水越來越燒。
するとドジョウたちは熱いお湯から逃れようと、きっちょむさんの入れた冷たいとうふに次々ともぐり込みました。
該兜鰗鰍仔想愛離開燒水,斯鑽落吉四六先生放落鑊个冷豆腐。
(よし、どんどん入れよ。・・・あと、一匹だ)
(還好,一尾過一尾鑽落來...最尾,一尾。)
きっちょむさんは、ドジョウが一匹残らずとうふにもぐり込んだのを見届けると、
吉四六先生看著鰗鰍仔一尾無伸鑽落豆腐後,講:
「おおっ、そうじゃ!急ぎの用を思い出したので、これで失礼する」
「哦,係哊!忽然間想著緊急事情,失禮𠊎先走。」
と、言って、とうふをひきあげると急いで家に帰っていきました。
講煞,佢撈起豆腐,緊觸觸轉屋下去了。
やがて、若者たちはおしゃべりを終えて、
無幾久,後生人打嘴鼓打煞了,
「さあ、もうそろそろ、ドジョウが食べ頃になったはずじゃ」
と、なべの中をのぞきました。
看著鑊肚,講:「這下,做得來食鰗鰍仔了。」
するとあれほどいたドジョウが、一匹もいません。
過後,發現恁多个鰗鰍仔仰會一尾都無呢?
「これは、どうした事だ?」
「這,仰會恁樣?」
ドジョウが消えたので、若者たちは不思議でなりません。
鰗鰍仔毋見忒,後生人感覺當奇怪。
「どうして、ドジョウが消えたのだ?
「鰗鰍仔仰會毋見忒?
なべに残っているのは、きっちょむさんの入れたとうふのかけらだけだ。
鑊肚伸著个係,吉四六先生放落鑊个豆腐碎仔定定。
・・・ああっ! きっちょむさんにしてやられたわ!」
...啊!吉四六先生搣个哪!」
きっちょむさんの悪だくみに気づいた時には、もう後の祭りでした。
注意著吉四六先生恁歪心搣耍人時節,昶慢了。
おしまい
煞咧
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