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7月15日の日本の昔話
かや泥棒の長八郎
偷茅仔个長八郎
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、長八郎という老人が隣村のかや山にこっそりと忍び込んで、かやを盗もうとしたのです。
頭擺頭擺,一個安到長八郎个老人家,偷偷潛入隔壁村个茅仔山,想愛偷茅仔。
それを隣村の人たちに見つかった長八郎は、奉行所へと突き出されたのでした。
分隔壁村人發現个長八郎,分人捉去奉行所。
長八郎の裁きを担当するのは、名奉行で有名な大岡越前です。
負責判決長八郎个係有名个奉行大岡越前。
越前が、長八郎に尋ねました。
越前問長八郎講:
「これ、長八郎。そなたは隣村のかや山に忍び込んでかやを盗んだというが、それは本当か?」
「噯,長八郎。你偷偷潛入隔壁村个茅仔山偷茅仔,有影無?」
すると、立ち会いの隣村の者たちが口々に、
做證該兜村民都講︰
「大岡さま、本当です」
「大岡大人,正經。」
「どうか長八郎の首を、ちょん切って下さい」
と、言うのです。
「請kaca一下摎長八郎頭那剁下來。」
「これ、静かにせい!今は長八郎に聞いておるのじゃ」
「大家恬靜!𠊎這下係問長八郎。」
越前はたしなめると、土下座をしたままの長八郎にもう一度尋ねました。
越前責備大家後,再過問行叩首禮个長八郎,講:
「して、長八朗。そなたがかやを盗んだのは、本当なのだな?」
「長八郎,你偷茅仔有影無?」
「はい。確かにおらが、かやを盗みました」
「係。確實,𠊎有偷茅仔。」
「そうか。しかし、こう言ってはなんだが、もうそなたはもう年だ。調べたところによると、そなたは病を患っており、あと何年も生きられないと聞いておる。そんなお前が、なぜ盗みなどをしたのじゃ?」
「係啊,但係仰會恁樣講,你有兜歲數咧,照調查結果你著病了,再過食乜無幾多年,你仰會去偷?」
すると、隣村の者たちが、また口をはさみました。
該兜村民還係你一句𠊎一句,講:
「長八郎は、むかしから博打(ばくち)が好きでした。きっと今度も、博打をする金欲しさに違いありません」
「長八郎一旦斯當好賭徼,定著這擺想愛去賭徼當欠錢。」
「そうです。はやく長八郎の首を、ちょん切って下さい」
「係啊,請遽遽摎長八郎頭那kaca一下剁下來。」
越前は、もう一度隣村の者たちを叱りつけました。
越前再過咄隔壁村个村民。
「黙れ!今は長八郎に聞いておると言っているだろう!口をはさむことは二度と許さん!」
「恬靜!𠊎講過這下係問長八郎!你兜不准插嘴。」
「・・・・・・」
「......」
「・・・・・・」
「......」
隣村の者たちが黙ると、越前は話を続けました。
隔壁村个村民恬恬後,越前繼續講話。
「長八郎よ、そなたがばくちをしていた事は知っておる。そして、今ではすっかり足を洗って、真面目に働いている事もな。して、そなたがかやを盗んだのはなぜじゃ?」
「長八郎啊,知你好賭徼,這下完全洗淨手腳了戒忒了,你還認真工作。為著麼个又會去偷茅仔?」
「はい、それは、老い先が短いからでございます。実は、わたしには年頃の孫娘がいるのですが、貧乏な為に、嫁入り道具を用意する事も出来ません。それで、悪い事とは知りながら、つい」
「係,該係因為𠊎過食也無幾多年,實際上,𠊎有一個好結婚个孫女,毋過𠊎很恁苦,無法度準備嫁妝,雖然明知偷東西毋好,還係...」
「そうか・・・」
「係無...」
越前は、これをどう裁けばよいか悩みました。
越前為著愛仰般裁決正好,愁勞博激。
長八郎をかばってやりたい気持ちはありますが、盗みは盗みです。
雖然𠊎想保護長八郎,但係偷東西就係偷東西。
このまま無罪で見逃しては、他の者に示しがつきません。
若係判無罪放過佢,對其他人毋係好个示範。
するとそこへ、心配して駆けつけていた孫娘が飛び出してきて、越前に深々と土下座をして言いました。
過後,煩惱到會死个孫女舂等過來,在越前面前伏落地行禮,講:
「どうか、どうか、じいさまをお助け下さい」
「請,請,救吾公。」
「・・・しかしだな、盗みは盗みだ。かやとはいえ、無罪にするわけには」
「...但係,偷東西就係偷東西。雖然講係茅仔,也做毋得判無罪。」
「かや山のかやは、いくら切っても春になれば、また新しい芽を出してくれます。ですが人の首は、切られてしまえば、それでお終いです」
「茅仔山偷茅仔,無論你割幾多、到春天時節會再過抽筍,但係若係一個人个頭那分人剁忒,人生就結束了。」
それを聞いた越前は、ホンとひざを叩きました。
聽到恁樣講个越前,出力打一下腳髀。
「うむ、なるほど、確かにそなたの申す通りであるな。かやは切っても取り返しがつくが、人の首は切ってしまうと取り返しがつかない。うむ。長八郎に罪はない事とする。ただし、盗んだ分のかやは、来年にはお前がかや山で刈ってきて、必ず返すようにな」
「m11,有影,確實像佢講个,茅仔割忒還會過生,但係人个頭那分人剁忒,無法度鬥轉去。摎長八郎判無罪,毋過,偷割个茅仔量,明年去茅仔山割,一定愛記得歸還。」
「はい。ありがとうございます」
「好。承蒙。」
こうして長八郎は許されて、翌年には盗んだかやを返したのです。
以這種方式,長八郎得著大家寬容,第二年摎偷割个茅仔量割還人。
そして孫娘が嫁いで行くのを、無事に見届けることが出来たのです。
總算做得平安个看到孫女結婚。
「うむ。これにて、一件落着!」
「m11。又辦好一件事了!」
おしまい
煞咧
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