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8月8日の日本の昔話
どっこいダンゴ
heshio飯糰
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、ある村に、のんきな一人暮らしのたつ平という男がいました。
頭擺頭擺,在某個村莊,有一個人安到龍平个男仔人,一儕人過著悠閒个日仔。
死んだ両親が広い土地を残してくれたのですが、たつ平はその土地をほったらかしです。
爺哀過身後,留一大片土地分佢,毋過龍平毋耕種放佢荒。
「あのまま一人者では、たつ平はだめになってしまうな」
「若係一儕人照恁樣過日仔,龍平會無結煞哪。」
心配した村人たちが、たつ平にお嫁さんを見つけてきました。
替佢煩勞个村民,尋個餔娘分龍平。
これがなかなか頭の良い、働き者のお嫁さんです。
餔娘係一個聰明,煞猛个人。
「ねえ、あんた、土地はいくらでもあるんだし、園や田んぼをつくったらどう?」
「ne,你,既然有恁多土地,去做田耕園好無?」
「おらあ、めんどうな事はきらいじゃ。あの土地は、今のまんまでええ」
「𠊎,最惱任何麻煩个事,該片土地隨在佢。」
たつ平はお嫁さんに言われても、暮らしを変えようとはしませんでした。
雖然餔娘勸話,龍平並無想愛改變佢个生活。
ある日の事、たつ平はお嫁さんの里に用事があって出かけることになりました。
有一日,龍平因為有事情愛去厥餔娘村莊。
お嫁さんに教えられた道を進んで、ようやくお嫁さんの里につきました。
照餔娘教个路行,總算去到餔娘該村莊。
「さあさあ、遠い道で、さぞ腹がへったじゃろう。こんな物しかねえが、遠慮なく食べてくれ」
「恁遠來到這位,𠊎想你定著枵壞了,請毋好細義,食兜東西。」
お嫁さんのお父さんは、お茶とダンゴを出してくれました。
丈人老兜茶摎粄圓出來請佢。
「どうじゃ、うまいか?」
「仰般,好食無?」
「う、うめえ~! こんなうまい物は、初めてじゃ。こりゃ、何という食べ物だ?」
「m11,好食〜!這恁好食个東西,第一擺食著,這係麼个食物?」
「これは、ダンゴじゃよ。お前のとこに嫁にやった娘は、ダンゴ作りがとてもうまいはずじゃ」
「這係粄圓,嫁分你該個妹仔應該非常會做粄圓。」
「えっ?おらの嫁は、これを作れるんか?ちっとも、知らなんだわ。モグモグ、う~ん、うめえ」
「e?𠊎餔娘非常會做粄圓?完全毋知,煞猛嚼,m~,好食〜!」
「そんなにうまけりゃ、家に帰って嫁に作ってもらえばええ」
「若係恁好食,轉去屋下,喊若餔娘做分你食。」
「ようし、すぐ作ってもらうだ。ところでこれは、何だっけ?」
「好,黏時喊佢做,毋過,這安到麼个?」
「だから、ダンゴじゃよ。ダ、ン、ゴ」
「這安到粄圓,粄、圓。」
「よし、ダンゴ、ダンゴ」
「好,粄圓,粄圓。」
たつ平は忘れないようにと、その名前を言いながら帰りました。
龍平驚毋記得,斯緊行緊唸,行轉屋下。
「ダンゴ、ダンゴ、ダンゴ、ダンゴ」
「粄圓,粄圓,粄圓,粄圓。」
そして、もうすぐわが家というところまで来たとき、ドッシーン!
過後,會轉到屋下時節,doshin!
「あいたたた・・・」
「還痛...」
「あれ。庄屋(しょうや)さま」
「唉哦,村長大人。」
道の曲がり角で、たつ平は庄屋さんとぶつかってしまいました。
在這條彎彎斡斡个路轉角,龍平撞到村長。
庄屋さんは転んだひょうしに、みぞにお尻をつっこんで出られません。
村長个屎朏跌落水溝,無法度蹶䟘起來。
「こら!いきなり飛び出すやつがあるか!はよ、おこさんかい!」
「噯!撞命鬼係無,唉哦,係你哦!」
「へい、すみません。ダンゴ」
「he,失禮,粄圓。」
たつ平は庄屋さんの手を引っぱりますが、なかなか抜けません。
龍平拉村長的手,但係拉毋起來。
「それ、どっこいしょ。ダンゴ」
「噯,heshio,粄圓。」
「なにがダンゴじゃ。しっかりせえ」
「仰會喊粄圓呢?出力正著。」
「う~ん、どっこいしょ。おおっ、抜けた抜けた、どっこいしょ」
「m11,heshio,哦,挷出了,heshio。」
たつ平は庄屋さんを助け出すと、すぐに自分の家へ向かいました。
龍平救出村長後,他黏時轉屋下。
「どっこいしょ、どっこいしょ、どっこいしょ、どっこいしょ」
「heshio,heshio,heshio,heshio」
そして家に着いたたつ平は、嫁さんの顔を見るなり言いました。
龍平轉到屋下,看著餔娘就講:
「どっこいしょを作ってくれ!」
「請你做heshio分𠊎食!」
「へっ?」
「e24?」
嫁さんは、首をかしげました。
餔娘頭那側側,講:
「どっこいしょ?」
「heshio?」
「ああ、どっこいしょだ。おめえはどっこいしょ作りが上手だと聞いたぞ。だからはやく、どっこいしょを作ってくれ」
「啊,係heshio,𠊎聽講你當會做heshio。所以,請你煞煞做heshio分𠊎食。」
「そう言われても、知らん物は作れないよ」
「雖然你恁樣講,𠊎無法度做𠊎毋知个東西。」
「知らんはずはないだろう。はやくどっこいしょを作ってくれ! どっこいしょが食いてえ!」
「仰會毋知呢,遽兜做heshio!𠊎愛食heshio!」
たつ平は思わず、ゲンコツでお嫁さんの頭をポカリと殴りました。
龍平全無想斯用拳頭嫲去搥餔娘个頭那。
「あいたたた。ほれ、乱暴するから、こんな大きなダンゴみてえなこぶが出来てしまったよ」
「痛到會死,恁魯夫,頭那頂分你打出一隻像粄圓恁大瘻。」
「ダンゴ?そうじゃ!ダンゴじゃ、ダンゴが食いたいんじゃあ」
「粄圓?係哦!粄圓,𠊎想食个粄圓。」
「ああっ、ダンゴね」
「啊,粄圓呢!」
「そうじゃ、ダンゴだ。はやくダンゴを作ってくれ」
「係啦,係粄圓,遽遽去摎𠊎打粄圓。」
「でも家じゃあ、ダンゴは作れんよ。ダンゴは米やアワやキビを粉にして作るからね」
「毋過屋下,這下無法度打粄圓,因為愛用米,粟、黍挨粉正做得。」
「そうか、家には、イモしかねえもんな」
「係啊,屋下,除了蕃薯以外無半項東西。」
たつ平は、ガッカリです。
龍平當失望。
するとお嫁さんは、たつ平の手をとって言いました。
餔娘握等龍平个手講:
「だから、園や田んぼをつくりましょうよ。そうすれば、ダンゴがいつでも作れるよ」
「總講,俚來去做田耕園,恁樣,哪時就做得打粄圓。」
「そうか。じゃあ、すぐに作ろう」
「有影無?該,遽兜來去打。」
こうしてたつ平とお嫁さんは、今までほったらかしだった土地をたがやして園や田んぼを作りました。
斯恁樣,龍平摎厥餔娘去到今還荒廢个田、園,開始耕種。
おかげでたつ平の家はお金持ちになり、二人はいつまでも幸せに暮らしました。
好得恁樣,龍平屋下正變有錢,這對夫妻長透過著快樂个日仔。
もちろん大好きなダンゴを、毎日食べて。
當然,逐日都有當好食个粄圓好食。
おしまい
煞咧
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