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8月22日の日本の昔話
山にいたクジラ
山頂个鯨魚
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、クジラが今のように海ではなくて、陸に住んでいた頃のお話です。
頭擺頭擺,這係一隻有關鯨魚,頭過生活在陸地上,毋係這下恁樣在海竇肚个故事。
山の神さまが、山の木の数を数えていました。
某日,山神在該算山頂个樹仔數量。
「ウサギ山の木は、去年よりも多くなった。タヌキ山の木も、去年よりも多くなった。さて、クジラ山の木はどうだろう?」
「兔仔山个樹仔比舊年增加盡多,狸仔山个樹仔也比舊年增加盡多。鯨魚山个樹仔呢?」
山の神さまがクジラ山へ行くと、クジラ山の木が全部たおれていました。
山神來到鯨魚山時節,所有樹仔都橫淨淨。
「これは、どうした事だ?・・・さては、クジラだな。こら、クジラ!お前、また大あばれをしたな!」
「這,仰會恁樣?...係恁樣哦,係鯨魚敢!噯,鯨魚!你又在該作亂!」
するとクジラが、目に涙を浮かべて言いました。
過後,鯨魚目汁雙流。
「すみません、山の神さま。でも、あばれたのではありません。わたしの体が、大きすぎるのです。あくびをするだけで木がおれますし、くしゃみをすれば森が吹き飛ぶのです」
「失禮,山神。𠊎毋係作亂。𠊎个膴身昶大。連擘下嘴樹仔都會橫忒,打哈啾就會摎森林吹走。」
それを聞いた山の神さまは、クジラの大きな体をながめて言いました。
聽著个山神低頭去看鯨魚个大膴身,講:
「確かに、お前ほど体が大きくては、山に住むのは大変だな。・・・よし、ここは一つ、海の神に頼んでみるか」
「確實,像你膴身恁大,戴在山頂非常辛苦。...好,這有一隻方法,來拜託海神試看?」
そう言って山の神さまは高い山に登ると、大きな声で海に向かって言いました。
講煞,山神就蹶上高山崠頂,大聲對大海講:
「おおーーい! 海の神よ―! わしの所のクジラを、お前の海で預かってくれんか―!」
「噯~!海神啊!𠊎這位个鯨魚放在你該海肚做得無?」
するとしばらくして、海の神さまから返事が返って来ました。
過一下仔,海神應講:
「いいだろうー! だが、それならこっちも、ひとつ頼みがあるー! わしの所のイノシシが、魚たちをいじめて困っておるんだー! お前の山で、預かってくれんか―!」
「做得哪!毋過,𠊎這位也有一隻要求!𠊎這位个豬仔會欺負魚仔盡無結煞!做得去你該山頂戴無?」
その頃はイノシシは、山ではなくて海にいたのです。
該量時,豬仔毋係戴山頂,係戴在海竇肚。
こうして二人の神さまは相談して、クジラは山から海へ、イノシシは海から山に住む場所をかえたのでした。
兩位神明參詳結果,鯨魚對山頂徙到海竇肚,豬仔對海竇肚徙到山頂去。
こんな事があったので、今でもクジラの肉とイノシシの肉は、似た様な味がするそうです。
所以,這下鯨魚肉摎山豬肉食起來當相像。
おしまい
煞咧
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