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2月12日の百物語

大アワビの大嵐

大アワビの大嵐
千葉県の民話千葉県情報

 むかしむかし、上総の国(かずさのくに→千葉県)の浪花村(なみはなむら)という海辺の村に、一人の若い海女(あま)が住んでいました。
 この海の沖には傘を広げたほどの大きなアワビがいて、この大アワビを怒らせると、たちまち大嵐を起こすと言い伝えられています。

 ある日の事、若い海女が仲間と一緒に海へ行くと、静かだった海が急に荒れだして激しい雨となりました。
 漁をしていた漁師たちも、あわてて舟を浜へあげました。
「こりゃあ、やみそうにないな」
「仕方がない。今日は漁をあきらめて、のんびりするか」
 海女と漁師たちは海辺の小屋に集まると、歌を歌ったり踊ったりしました。
 その時に若い海女は、たまたま隣に座っていた若い漁師に一目惚れをしました。
 若い漁師も海女の事が好きになり、二人は仲良く語り合いました。

 次の日、若い海女は海へ出ましたが、昨日の漁師に会いたくて仕方がありません。
(どうして今日は、こんなに天気がいいの? 嵐が来れば、あの人に会えるかもしれないのに。・・・そうだわ)
 海女は石を拾うと、嵐を起こす大アワビがいると言われる沖へ行き、その石を投げ込みました。
(大アワビ、お願いだから嵐を起こして)
 すると晴れていた空がみるみる暗くなって、大波が出て、あっという間に嵐になったではありませんか。
「やれやれ、また嵐か」
「仕方がない。今日ものんびりしよう」
 海女や漁師たちは仕事を中止すると、今日も海辺の小屋に集まりました。

 さて、それからというもの、若い海女は漁師に会いたくなると大アワビのいる沖へ出かけて行って石を投げたのです。
 そして、
(何日も続く大嵐になれば、あの人と何日も一緒にいられるわ)
と、考えた若い海女は、おけいっぱいに石を入れると、沖へ行って何個も何個も石を投げ込んだのです。
(大アワビ、何日も続く様な大嵐を起こしてね)
 ところがその時、若い漁師は今まで嵐で漁に出られなかった分を取り戻そうと、前の晩から遠くの沖に出て漁をしていたのです。
 遠くの沖に出ていた漁師は、突然の大嵐に浜へ戻ろうにも戻れませんでした。

 小屋でいつもの様に漁師を待っていた若い海女は、漁師が沖に出たまま戻れなくなっている事を知ってびっくりです。
「何て事なの!? このままでは、あの人が帰ってこられない。大アワビさま、お願いです。どうかこの嵐をしずめて下さい」
 若い海女は沖に向って手を合わせましたが、嵐はいっこうにしずまりません。
 それどころか、海はますます荒れ狂います。
 そんな中、あの漁師の舟が波の合間から見えました。
 漁師は必死に舟をあやつりますが、やがて舟がひっくり返って海に投げ出されました。
「きゃぁーー!」
 若い海女は悲鳴を上げると、気も狂わんばかりに夢中で海へ飛び込みました。
 そして荒波を押し分けて、海に落ちた漁師のところへと泳ぎます。
(待っていて、必ず助けるから!)
 若い海女は、何とか漁師のところまで泳ぎ着きました。
 しかし若い海女には、もう泳ぐ力が残っていません。
 二人は荒れ狂う波の中でしっかり抱き合うと、そのまま海の底に沈んでしまいました。

おしまい

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