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9月3日の百物語

お菊ののろい

お菊の呪い
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※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

投稿者 「つれづれ居士」  つれづれ居士

 むかし、上州(じょうしゅう→群馬県)に、小幡上総介(おばたかずさのすけ)という(さむらい)がいました。
 とても短気で乱暴な男でしたが、お菊(きく)という美しい女中(じょちゅう)をとても気に入っていました。

 ある朝の事、上総介(かざさのすけ)がお菊の運んで来た朝ご飯を食べようとした時、ご飯の中に何やらキラリと光る物が入っていました。
「おや?」
 はしでつまみ出してみると、何とそれは一本のぬい針だったのです。
 上総介は怒りで体を震わせると、お菊につかみかかって問いただしました。
「この恩知(おんし)らずめ! よくもわしを殺そうとしたな。どうしてこんな事をしたのじゃ!」
 まるで身に覚えのないお菊でしたが、上総介に何度も何度も殴りつけられて、言い訳をするひまもありません。
 その様子をおもしろそうに見ていた奥さんが、こう言いました。
「この女は、性根の曲がった頑固者(がんこもの)です。殴ったぐらいでは、白状しますまい。どうです? いっそヘビ責(ぜ)めになさっては」
「よし、そうしよう」
 裸にされたお菊は、たくさんのヘビと一緒にお風呂の中へ投げ込まれました。
 お風呂の水がだんだん熱くなると、苦しくなったヘビがお菊に噛み付きます。
 この地獄の様な苦しみの中で、お菊は、
「このうらみ、死んでもはらしてくれようぞ!」
と、言い残して、ついに死んでしまったのです。

 それから何日かして、奥さんは体中を針で刺される痛みに襲われて寝込んでしまいました。
 上総介は医者を呼びましたが、まるで原因がわかりません。
 そして奥さんは何日も何日も苦しんだ末に、
「お菊、許しておくれ。針を入れたのは、このわたしじゃ。上総介に可愛がられるお前が、憎かったのじゃ」
と、言うと、そのまま死んでしまいました。

 上総介は本当の事を知って死んだお菊に謝りましたが、今さらお菊は許してくれません。
 その夜から上総介の屋敷に、お菊の幽霊(ゆうれい)が出る様になったのです。
 家来や女中たちは怖がって逃げてしまい、一人きりになった上総介は何度も何度もお菊に謝りながら死んでいったのです。

 その後、小幡家の人々によって、お菊の為にお宮が建てられました。
 それからは、お菊の幽霊は現われなくなったという事です。

おしまい

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