福娘童話集 > 日本の民話 2 福娘童話集 きょうの日本民話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集


福娘童話集 > 日本の民話 その2 > 3月の日本民話

3月27日の日本民話 2

テングの鼻いれ穴

テングの鼻入れ穴
栃木県の民話栃木県情報

 むかしむかし、日光(にっこう)には、たくさんのテングが住んでいたそうです。

 ある年の事、京の都から新しく日光を治める座主(ざす→一番位の高いお坊さん)がやって来るという知らせが日光に届きました。
 修行者や土地の人たちは、さっそく新しい座主をお迎えする準備に取りかかりました。
 そして日光の山に住むテングたちも新しい座主を歓迎(かんげい)しようと、参道(さんどう)に一列に座って頭を下げようとしたのです。
 ところが、困った事がおこりました。
 テングたちの高い鼻が地面にぶつかってしまい、座って頭を下げる事が出来ないのです。
「どうしよう。まさか鼻を切り落とすわけにもいかんし」
「しかし、座って頭を下げないと、せっかく来ていただく座主に失礼だぞ」
「うーん。困ったな」
 それでテングたちは相談して、ある名案を思いつきました。
 テングたちは参道のはしに深さ三十センチ程の穴をいくつも掘って、頭を下げた時に鼻がその穴の中に入る様にしたのです。
 こうしてテングたちは、無事に新しい座主を迎えたのでした。

 今でも日光には、この穴の跡が残っているそうです。

おしまい

前のページへ戻る


福娘の姉妹サイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日などを紹介
福娘童話集
日本最大の童話・昔話集
さくら SAKURA
女の子向け職業紹介など
なぞなぞ小学校
小学生向けなぞなぞ