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8月2日の日本民話 2

たきつぼの女神

滝つぼの女神
島根県の民話島根県情報

※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

投稿者 ナレーター熊崎友香のぐっすりおやすみ朗読

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投稿者 よみ子の睡眠朗読

 むかしむかし、あるところに、働き者の木こりのおじいさんがいました。
 ある日の事、おじいさんは木を切ろうとして、あやまってオノを滝つぼの中に落としてしまいました。
「困ったなあ。大切なオノが・・・」
 おじいさんは溜息をついて、滝つぼをのぞきこみました。
 すると、その時、
 ザプーン!
と、音がして滝つぼからしぶきがあがり、それは美しい女の人がオノを抱いて姿を現したのです。
 女の人はおじいさんに、頭を下げてこう言いました。
「私は、この滝の主の安長姫(やすながひめ)でございます。
 どこからかここの滝つぼのふちに悪い大きなカニが来て、私はいつも苦しめられておりました。
 それが今、あなたさまの投げてくださったオノで、悪い大きなカニの右腕を切り落とす事が出来ました。
 ありがとうございました」
 そして安長姫は、オノをおじいさんに渡して頼みました。
「どうか、もう一回オノを投げてくださいませ。
 悪い大きなカニの左腕も、切り落としていただきたいのです」
「よし、わかった」
 おじいさんはオノを受け取ると、もう一度オノを滝つぼに投げ込みました。
 すると安長姫は滝つぼに再び潜り、しばらくするとうれしそうな顔を見せました。
「ありがとうございました。これでもう安心です」
 安長姫は、おじいさんにオノを返しました。
「そうか。わしもオノを拾ってくれてよかったよ」
 おじいさんはオノを受け取ると、家へ帰って行きました。

 それから何日かして、川下で、はさみのない大きなカニが見つかりました。
 おじいさんから滝つぼでの話を聞いていた村人たちは、その時からその川を安長川と呼ぶようになりました。
 そして不思議な事に、それ以来、安長川はどんなに日照りの年でも水が枯れる事のない川になったそうです。

おしまい

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