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2009年 3月25日の新作昔話
清水の観音さまのお告げ
京都府の民話 → 京都府情報
むかしむかし、運にめぐまれない正直者の男が、幸運を祈って清水の観音さまへ願かけに行きました。
すると満願の前夜、夢枕に観音さまがたって、ありがたいお告げをしてくれました。
「お前はよくよく運のない男だが、正直に生きておるほうびに、一つだけ運をさずけよう。明朝、お堂から飛び降りてみよ」
「えっ、飛び降りるのですか?」
男が目を覚ますと、ちょうど夜明けでした。
「もしかすると、死ぬかも知れないが。・・・ええい!」
男は意を決してお堂から飛び降りると、その拍子に目玉が二つ抜け落ちてしまいました。
「ああっ、これは大変だ!」
と、男があわててはめた目玉の片方は、前後ろが反対でした。
しかし、このおかげで腹の中が手に取るようによく見えるのです。
男はその後、医者になって大金をもうけたということです。
おしまい
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