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福娘童話集 > きょうの新作昔話 > 鼻の白い黒ネコ
2009年 12月28日の新作昔話
鼻の白い黒ネコ
中国の昔話 → 中国の情報
むかしむかし、あるところに、とても怠け者の男がいました。
男は一日中、寝ころんでいて、
「腹が減ったな。・・・でも、食事をするのもめんどくさい」
と、何も食べようせず、それでとうとう飢え死にしてしまいました。
さて、怠け者はあの世へ行くと、さっそく閻魔大王の前へ連れていかれました。
閻魔大王は怠け者をにらみ付けると、こう言いました。
「食べるのがめんどくさいと言って、飢え死にするとはなんたるやつ。悪い事はしておらぬが、怠け者の罰として、ネコに生まれかわらせてやる!」
それを聞くと、男は閻魔大王に頼みました。
「大王さま。どうか大王さまのおなさけで、わたしを鼻の白い黒ネコにしてください」
「うん? 鼻の白い黒ネコだと? まあ、それはよいが、しかしまた、どういうわけじゃ?」
「はい。わたしがネコに生まれかわりましたら、わたしはただ、毎日暗がりに寝ころんでおります」
「ふむ。それで?」
「するとネズミどもが、わたしの白い鼻を見て、『おや? うまそうな団子が落ちているぞ』と、わたしに近づいてくるでしょう」
「なるほど。それで?」
「ネズミがわたしの口のところへ寄ってきた所を、パクリと噛みついてやれば、わたしは寝ていてもネズミ取りが出来ますから」
この男の怠けぐせは、死んでも治らなかった様ですね。
おしまい
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