福娘童話集 > 新作の紹介 福娘童話集 きょうの新作昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
     6月29日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
星の王子様の日
きょうの誕生花
紫陽花(あじさい)
きょうの誕生日・出来事
1959年 引田天功(2代目・奇術師)
  6月29日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
かじかびょうぶ
きょうの世界昔話
ハエの城
きょうの日本民話
コウノトリの恩返し
きょうのイソップ童話
シカとブドウの木
きょうの江戸小話
入れ目
きょうの百物語
甚内と怪物
 


福娘童話集 > きょうの新作昔話 > 石合戦 徳川家康

2012年 6月29日の新作昔話

石合戦 徳川家康

石合戦
徳川家康の子どもの頃の話 → 静岡県の情報

♪音声配信
☆横島小次郎☆

 長い間続いた戦国時代を終わらせて平和な江戸幕府を開いた徳川家康は、子どもの頃から物事を見定める力を持っていました。
 これは家康が九才の頃、まだ松平竹千代(まつだいらたけちよ)と呼ばれていた頃のお話しです。

 駿府(すんぷ→静岡市)にある、安倍川(あべかわ)の土手で、子どもたちが赤白二組にわかれて石合戦をしていました。
 石合戦とは、石を投げ合ってどちらが強いか勝負する事です。
 これを見ていた竹千代に、家来の一人がたずねました。
「竹千代さま。どちらが勝つと、思いますか?」
 竹千代は赤白両方の組をじっと見つめたまま、しばらく考えました。
「うーむ・・・」
 すると別の家来が、竹千代に言いました。
「竹千代さま、赤になさいませ。
 赤は百人で、白は五十人です。
 むかしから戦とは、数の勝負です。
 数の多い赤が、勝つに決まっています」
 しかし竹千代は、首を振って言いました。
「いいや。勝つのは白だ」
 竹千代が自信ありげに言うので、家来たちはびっくりです。
「竹千代さま、なぜ白が勝つとお思いですか?」
 すると竹千代は、家来たちに説明しました。
「確かに数は、赤が多い。
 だが、赤の組をよく見てみろ。
 赤の組は大勢という事に安心して、半分が遊んでいる。
 残りの半分も、さほど真剣に戦おうとはしていない。
 一方白の組は数が少ないため、みなが真剣に戦おうとしている。
 勝つのは、白の組だ」
「うーむ。そんなものでしょうか」
 竹千代の説明を聞いても、家来たちは首をかしげていました。

「合戦、はじめい!」
 合図のたいこが鳴りひびいて、石投げがはじまりました。
 すると、どうでしょう。
 数の少ない白の組がかかんに攻め込み、まさか負ける事はないとのんびりしていた赤の組が、バラバラと逃げ出したのです。
「なんと! 本当に白が勝った!」
 家来たちは、竹千代の物事を見定める力に感心しました。
「さすがは、竹千代さま。まだお小さいのに、よくものを見ておられる」
「まこと。このまま大きくなられれば、いつの日か天下を治めるかもしれん」
「いや、きっと天下を治めるだろう」
 家来たちの言葉通り、やがて竹千代は天下人となったのです。

おしまい

ページを戻る

新作の紹介メニュー

福娘童話集

新作の紹介
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
女の子応援サイト さくら
職業紹介・誕生日占い・おまじないなど
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識