福娘童話集 > 新作の紹介 福娘童話集 きょうの新作昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
福娘童話集 > きょうの新作昔話 > 影を売った男
     5月24日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
ゴルフ場記念日
きょうの誕生花
金瘡小草(きらんそう)
きょうの誕生日・出来事
1961年 哀川翔 (俳優)
  5月24日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
キツネと油あげ
きょうの世界昔話
漁師とそのおかみさんの話
きょうの日本民話
テングの寝言(ねごと)
きょうのイソップ童話
ワシとトビ
きょうの江戸小話
ネコの名
きょうの百物語
つかずの鐘
 


2013年 5月24日の新作昔話

影を売った男

影を売った男
デンマークの昔話 → デンマークについて

 むかしむかし、月が明るく光っている夜の事、一人の男が野原を歩いていて自分の影が月の光で長く伸びているのに気づきました。
「へえ、影って、きれいなんだな。こんなにきれいなら、誰か買ってくれてもいいのに」

 その時、突然現れた一人の小人が、男に話しかけてきました。
「あなたの影は、本当にきれいですねえ。どうです? あなたの影を、わたしに売ってくれませんか?」
「影を売る? アハハハハハッ。売れる物なら売ってやるが、影を買ったところで、どうやって持って行くんだい?」
「何、簡単ですよ」
 小人は、ふところから取り出した銀のハサミを使って、チョキチョキと男の影を切り取ってしまったのです。
 そしてびっくりしている男に金貨がたくさん入った袋を渡すと、男の影を持ってどこかへ行ってしまいました。

 さてそれから数日後、男は奥さんと一緒に夜の散歩に出かけました。
 空には前の晩と同じように、月が明るく光っています。
 しばらくすると、奥さんが急に立ち止まって叫びました。
「キャアー! あなたには、影がないわ。どうしてなの?」
「いや、それは・・・」
 男は、お金が欲しくて影を売った事を話すのが恥ずかしかったので、適当な事を言ってごまかしました。
 すると奥さんは、おびえた表情で言いました。
「わたし、あなたが怖いわ」
 そのうちに近所の人たちも男に影がない事に気づいて、みんなは怖そうに男を遠ざける様になりました。
 その為に男は、町を出て行く事になりました。
「ああ、あの時、影さえ売らなければよかった」
 男はとても後悔しましたが、いくら後悔しても影が戻ることはなく、山奥で一生一人寂しく暮らしたという事です。

おしまい

ページを戻る

新作の紹介メニュー

福娘童話集

新作の紹介
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
女の子応援サイト さくら
職業紹介・誕生日占い・おまじないなど
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識