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2014年12月12日の新作昔話
働く時間
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むかしから、お百姓の仕事はとても大変です。
田や畑を耕したり、家畜の世話をしたりと、朝から晩まで働いても仕事はいっこうに減りません。
お百姓たちは、疲れ切っていました。
「こんなに働いてばかりいたら、きっと病気になってしまうぞ」
「しかし、働かないと家族の食べる物が」
「分かっているさ。でも、たまにはゆっくりと体を休めたいものだ」
ある日の事、お百姓たちの悩みを聞いたイエスさまが、お百姓たちの暮らしに同情して神さまにお願いをしました。
「どうぞ、お百姓の働く時間を、もっと減らしてやって下さい。このままでは、みんな倒れてしまうでしょう」
神さまは、さっそくイエスさまの願いを聞き入れました。
そして今までの苦労をねぎらうために、これからは二時間だけ働けば良いと決めてくれたのです。
神さまの言葉を聞いたイエスさまは、さっそく弟子のペテロを使いに出しました。
「さあ、これからお百姓のところへ行って伝えてあげなさい。お前たちは、五時から七時まで働けば良いとね。これで、お百姓たちの悩みは解決するだろう」
次の朝、ペテロはさっそく地上に舞い降りました。
お百姓たちは、イエスさまのお使いが来たと大喜びで、ペテロをもてなしました。
お酒をふるまわれ、すっかりいい気分になったペテロは、ふらふらになりながらイエスさまの言葉を伝えました。
「村人よ、よく聞くがよい。これからは、七時から五時まで働けばよいのだ。これがイエスさまからの伝言だ」
ペテロは酔っぱらっていたので、五時から七時と言うところを、七時から五時と間違えて伝えたのです。
こうしてお百姓は、朝の七時から夕方の五時まで働く事になってしまったそうです。
おしまい
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