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2月8日の日本の昔話
ウグイス長者(ちょうじゃ)
黄鷹有錢人
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福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかしの、ある寒い冬の事です。
頭擺頭擺,在當冷个冬天發生个事情。
お茶売りの男が山道を歩いていると、いつの間にか竹やぶの中にいました。
有一個賣茶个男仔人在山路行个時節,毋知幾時行到竹頭下去。
「どうやら、道に迷ったらしい」
「總係感覺,像形撞走!」
男が薄暗い竹やぶをさまよっていると、ふと大きな屋敷の前に出ました。
男仔人在暗摸摸个竹頭下無結無煞个時節,忽然間有一間大座屋出現在面前。
「こんな竹やぶの中に、お屋敷とは」
「這種竹頭下還生趣,會有大座屋」
屋敷の庭には季節外れの梅が咲いていて、とても良い香りが漂ってきます。
這座屋个天墀坪,有季節毋著乜開花个梅仔樹,還有特別清香味道。
「ほう、何とも良い香りじゃあ」
「hou,還好个香味哪!」
すると突然、若くて美しい四人の娘たちが、梅の木のかげから現れました。
過後,忽然間有四個後生又靚个細妹仔,在梅仔樹影底下出現。
「あら、珍しい。人間の男の人だわ」
「啊!還寶貴,係世間个細倈仔哦!」
「どうぞ、家の中にお入りくださいな」
「請,落來屋家!」
男は娘たちに案内されるまま、屋敷の中に入って行きました。
男仔人照細妹仔安排落去屋肚。
すると屋敷の中から、もう一人の女の人が出て来て言いました。
該屋肚另外一個細妹人行出來講:
「わたしは、娘たちの母親です。どうぞ今夜は、泊まって下さいませ」
「𠊎係該兜細妹仔个阿姆,歡迎你暗晡夜在這歇。」
そして母親と娘たちは、男をごちそうでもてなしました。
過後恁多子哀準備當盡沛款待佢。
次の朝、母親はあらためて男に言いました。
第二朝晨,哀仔再過同細倈人講:
「ここは女だけの家で、あなたの様な男の人が現れるのを待っていました。娘は四人おりますから、誰でも好きな娘の婿になって下さいませ」
「這屋下斯有細妹人定定,一直等看有像你恁樣个細倈人出現無,因為妹仔有四個,中意那個都做得,分你做餔娘。」
男にとっては、夢の様な話です。
這種話對男仔人來講像發夢樣。
「わしで良ければ、喜んで」
「𠊎若係做得,當歡喜。」
こうして男は、長女の婿になりました。
就恁樣,男仔人,變大妹仔个老公。
やがて冬も終わり、暖かい春がやって来ました。
過無幾久,冷天過去了,燒暖个春天來了。
ある日、母親が男に言いました。
有一日哀仔摎男仔人講:
「今日は日よりが良いので、娘たちを連れてお花見に行って来ます。
「今晡日天時盡好,𠊎愛渡妹仔來去看花。
すみませんが、留守番をお願いします。
失禮,拜託你留在屋下掌屋。
もし退屈でしたら、家の倉でも見ていて下さい。
若係無聊,屋下个倉庫順續巡看啊。
きっと、気に入ると思います。
你一定會歡喜,
・・・でも、四つ目の倉だけは、決して開けてはいけませんよ」
...毋過就第四个倉庫絕對毋好打開來哦!」
「わかった。四つ目は見ないよ」
「𠊎知,第四个毋好打開來看。」
さて、女たちの出かけた後、男は何もする事がなくてボンヤリとしていました。
等該兜餔娘人出門以後,男仔人麽个無做坐等在該發咄呆。
「ひまじゃー。・・・そうじゃ、倉の中でも見てみるか」
「恁閑了,...係喔,倉庫續巡看裡肚有麽个啊。」
男はまず、一番目の倉の戸を開けてみました。
男仔人先打開第一隻倉庫个門來看。
すると、
ザザーーッ。
と、波が男の足元に押し寄せて来ました。
聽到沙沙滾个波浪聲,浪在脚㬹緊蔭上來。
不思議な事に倉の中には、真夏の海が広がっていたのです。
想毋解个事情,會在倉庫肚看到盡闊个熱天个海,
空にはカモメが飛んで、まっ白い砂浜にはカニがいます。
天頂有海鷗在該飛,白白个砂灘頂有毛蟹。
「海は、気持ちがいいのう」
「海,心情還好!」
それから男は、二番目の倉を開けてみました。
續等打開第二隻倉庫來看。
そこには、美しい秋の山がありました。
裡肚有秋天山頂个風景。
赤や黄色に色づいた木々があり、大きな柿の木にはまっ赤な柿の実がなっています。
樹仔變紅色無就係黄色各種色就有,大大叢个柿仔樹打到淰淰个紅柿仔。
「モミジに柿とは、風流(ふうりゅう)じゃのう」
「紅色个楓樹葉之外又有紅柿仔實在幽雅。」
次に男は、三番目の倉を開けてみました。
續下來男仔人,打開第三隻倉庫來看。
すると中から、ビューーッと冷たい風が吹いてきました。
對庫肚吹來一陣涼風,
倉の中は、一面まっ白な雪景色です。
倉庫裡背一片白白个雪。
「うー、寒い、寒い。冬は苦手じゃ」
「唉呦,冷,還冷,冷天還艱苦哦。」
男は寒そうに身を震わせると、四番目の倉へとやって来ました。
男仔人像人當冷樣,歸身吃吃惇,翻身走到第四个倉庫去。
そして戸を開けようとした男は、母親が出がけに言った言葉を思い出しました。
想愛打開倉庫个男仔人,想到阿姆臨出門前吩咐佢个話,
『四つ目の倉だけは、決して開けてはいけませんよ』
『斯第四隻倉庫,絕對毋好打開來哦。』
開けてはいけないと言われると、余計に見たくなる物です。
交待佢毋好開,佢續還較想看。
「うーん。約束はしたが、ちょっとぐらいなら大丈夫だろう」
「m11,雖然有約定,毋過睞一下應該無相干。」
男は我慢しきれずに、四番目の倉の戸を開けました。
男仔人忍毋核,打開第四倉庫門。
「ほう、これは見事だ!」
「hou,還靚哦!」
倉の中には、暖かい春が広がっていました。
倉庫肚係燒暖个春天。
さらさらと流れる小川のほとりには桃色の花が咲いた梅の木があり、梅の木には五羽のウグイスが楽しそうに飛びかっています。
另外,在流等清清个水个細河霸唇,種有開桃紅色花个梅仔樹,樹頂有五隻黄鶯在該快樂个飛來飛去。
♪ ホーホケキョ
♪ ho~hokekiyo
♪ ホーホケキョ
♪ ho~hokekiyo
ウグイスが、とても美しい声で鳴きました。
黃鶯用特別歡喜个聲在該叫。
「ウグイスじゃあ、きれいじゃなぁ~」
「黃鶯,還靚哪!」
でもウグイスたちは男の姿を見ると、びっくりした様に鳴くのを止めて、どこかへ飛んで行ってしまいました。
毋過該兜黄鶯看到男仔人嗄著驚,毋敢再過叫,飛到毋知那位去了。
それと同時に周りの景色が変わり、男はいつの間にか竹やぶの真ん中に立っていたのです。
同時周圍个景色也變淨淨,男仔人毋知那量時企在竹林中央。
「あれ? 倉は? 屋敷は?」
「該呢?倉庫呢?屋呢?」
男がきょろきょろしていると、どこからともなく母親の声が聞こえて来ました。
男仔人慌慌張張个時節,聽到佢無想愛聽著、毋知那位傳來厥姆个聲。
「約束を破って、四番目の倉を開けてしまいましたね。
「無照約定,打開第四倉庫呢!
わたしたちは、この竹やぶに住むウグイスです。
𠊎兜係戴在這竹頭下个黄鶯。
今日は日よりが良いので、みんなで元の姿に戻って遊んでいたのです。
因為今晡日天時盡好,大家變轉原形出去尞。
あなたとは、いつまでも一緒に暮らそうと思っていました。
しかし姿を見られたからには、もう一緒に暮らす事は出来ません。
さようなら」
本來想愛摎你共下過一生人,毋過分你看到原形了,無法度再過共下生活了,正來尞。」
「そんな・・・」
「該...」
男は仕方なく、一人で山をおりて行きました。
男仔人無法度,一儕人行等下山。
おしまい
煞了
おまけ
ささらとゆっくり昔話 第17話【見るなの座敷】
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日本昔話を現代っぽくアレンジしたらこうなったシリーズ。
おまけ
ささらと昔話講座 第17話【見るなの座敷】
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知っているようで知らない日本昔話を、あれやこれやとささらちゃんが学んでいく動画です。
おまけ
ささらと昔話講座 番外編04話【長者物語】
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