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2月13日の日本の昔話
吉四六さんと猫
吉四六先生摎貓仔
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福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、きっちょむさんと言う、とんちの上手な人がいました。
頭擺頭擺,有一個安到吉四六个人,非常伶俐。
ある朝の事、きっちょむさんは朝ご飯を食べようとご飯を用意したのですが、今日はお金がないのでおかずがありません。
有一日朝晨,吉四六先生想愛食朝个時節,等佢煮飯好正想著今晡日無半息錢,也無菜好傍。
「おかずのないご飯というのは、さみしいものだな。
「食飯無菜嗙無麽个味緒哪。
ぜいたくは言わないが、焼き魚の一つも食べたいものだ。
毋敢講奢華,至少乜愛有係煎个魚仔來食。
何とかして、魚を手に入れる方法はないだろうか?」
仰般會尋尾魚仔就無辦法敢?」
そう考えたきっちょむさんは、ふと、この村の金持ちのだんなが大の猫好きなのを思い出しました。
吉四六在該想來想去,忽然間想到莊肚个有錢老爺當惜貓仔。
「そう言えば、そろそろだんなが散歩でこの家の前を通る時間だな。
「照講,慢慢散步个老爺,這下應該經過這屋面前。
・・・だんなは、猫が好き。
...老爺惜貓仔。
・・・猫は、魚が好き。
...貓仔好食魚仔。
・・・そしてわしは、魚が食べたい。
...𠊎想食魚仔。
よしよし、こいつはいけるぞ」
好,該個傢伙做得去哦。」
名案を思いついたきっちょむさんは空の皿を一枚用意すると、近所に住んでいるノラ猫を一匹連れて来ました。
想出好計个吉四六先生,拿一垤盤仔渡等戴在就近个野貓。
そして金持ちのだんながきっちょむさんの家の前を通りかかったのを見計らって、きっちょむさんは連れて来たノラ猫を大声でしかり始めたのです。
過後,無幾久有錢老爺就會來到吉四六先生屋面前,吉四六就開始駡渡來个野貓。
「この猫め!
「這條夭壽貓!
よくも、大切な魚を盗みよって!
敢偷恁貴重个魚仔!
お前の様な泥棒猫は、こうしてくれるわ!
像你該種賊仔貓,
えい! えい! えい!」
做出這種事情ei!ei!ei!」
その声にびっくりした金持ちのだんなは、あわててきっちょむさんの家の戸を叩きました。
分該聲哨嚇著个有錢老爺,慌慌張張去搉吉四六屋下个門。
「きっちょむさん、どうしたんじゃ?! 猫が、猫が何かしたのか?!」
「吉四六先生,做麼个?!貓仔,貓仔做麼个係麼?!」
するときっちょむさんは、金持ちのだんなに空の皿と猫を見せて、
過後,吉四六先生就摎空个盤仔、貓仔拿分有錢老爺看,
「どうしたもこうしたも、この猫が、わしの大切な魚を食ったんだ!
「不管仰般,這條貓仔摎恁重要个魚仔食忒!
せっかくの、朝ご飯のおかずが!
這係特別為著食朝準備个菜!
泥棒猫め、こうしてくれるわ!」
賊仔貓,這種事也敢做!」
と、まっ赤な顔で猫をなぐりつけようとするので、猫がかわいそうになった金持ちのだんなは大あわてできっちょむさんを止めると、
打該貓仔打到面紅漬炸,有錢老爺看到貓仔恁衰過煞煞喊佢毋好打了。
「待て待て、そんなに猫をしかってはかわいそうじゃ。
「等下,等下,為着這就打貓仔忒衰過了,
取られたのは、魚だな。
偷食一尾魚仔定定。
よし、すぐに戻って来るから、ちょっと待っておれよ」
好啦,黏時倒轉來,請等一下。」
と、さっそく市場まで魚を買いに行って、その魚をきっちょむさんの空の皿にのせてやりました。
講煞,遽遽去市場買魚仔,買轉來个魚仔放在吉四六先生个空盤仔肚。
「きっちょむさん。今日のところは、どうかこれで猫を許してやってくれ」
「吉四六先生,今晡日个事情原諒貓仔好麽?」
それを聞いたきっちょむさんは、
聽佢恁仰講个吉四六先生就應:
「うーん。まあ、だんながそう言うのなら」
「m11,既然老爺恁樣講了,好啦。」
と、猫を逃がしてやりました。
放貓仔走了。
さて、金持ちのだんなが帰ってしまうと、きっちょむさんは家の裏口からさっきの猫を呼び入れて、手に入れた魚を半分に切って渡しました。
等有錢老爺轉去以後,吉四六先生在屋下後門嘍頭下該條貓仔落來,摎頭下拿着个魚仔切一半分佢。
「よしよし、お前のおかげで、おかずが手に入ったわい。これは、お礼だよ」
「還好還好,好得你正得著這條魚仔。這係,承蒙你个禮物。」
おしまい
煞了
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