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4月4日の日本の昔話
和尚の失敗
和尚个失敗
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
むかしむかし、あるお寺に、和尚(おしょう)さんと二人の小僧がいました。
頭擺頭擺,有一間廟寺,戴一個和尚摎二個細沙彌。
ある冬の晩の事。
有一隻冬下个暗晡,
和尚さんが 『でんがくどうふ(とうふを長方形に切って串に刺し、味噌を塗って火にあぶった料理)』を二十串、いろりにグルリと並べて刺しました。
和尚師父做二十串醬烤串豆腐(豆腐切做長方形,用槧仔𠠃一串,搵米醬用火焙),排在地爐頂焙。
「おおっ、良い香りじゃ。さあ、焼けてきたぞ」
「唉哦,還香哦!哪位焙東西敢!」
とうふに塗りつけた味噌がこんがりと焼けて、たまらなくいい匂いです。
係豆腐膏米醬焙著堵堵好,該香味餳人口水溚溚滴。
するとそこへ、匂いをかぎつけた二人の小僧がやって来ました。
二個細沙彌跈該香味來到焙豆腐个位所。
和尚さんは、『でんがくどうふ』を一人で全部食べるつもりでしたが、二人の小僧にしっかりと見られてしまったからに、今さら隠すわけにはいきません。
和尚本來打算通棚自家食,好死毋死二個細沙彌走來,這下愛囥嗄赴毋掣。
そこで和尚さんは、こう言いました。
和尚就恁樣講:
「ちょうど、良いところに来たな。
お前たちにも分けてやるが、ただ分けてやったのではつまらん。
「恁堵好!本來愛分你兩儕食,毋過,單淨分你兜食無意思,所以來作歌仔,
そこで串の数をよみ込んだ歌を作り合って、その数だけ食べる事にしよう。
歌詞裡肚包含串數,該你就做得食幾多串。
では、わしから始めるぞ。『小僧二人、にくし(二串)』」
𠊎先開始。『細沙彌二儕、二串(にくし)』」
和尚さんはニヤリと笑うと、『でんがくどうふ』をふた串取って食べました。
和尚師父笑咪咪,續等就拿二串『醬烤串豆腐』來食。
歌の意味は、『小僧が来なかったら一人で全部食べられたのに、二人の小僧が憎い』という意味です。
這首歌仔个意思係講:『二個細沙彌係無來,總下做得自家食,二個細沙彌恁得人惱。』
「お前たちには、こんな歌はよめまい」
「你兩儕可能毋會呵!」
ところが、年下の小僧が、
毋過較細該个細沙彌唱:
「それはどうでしょう。『おしゃかさまの前の、やくし(八串)さま』」
「你看這仰般,『釋迦牟尼佛个面前,有葯師(yakusiやくし)菩薩』」
と、見事な歌をうたって、『でんがくどうふ』を八串もせしめたのです。
非常好个歌仔,就拿八串『醬烤串豆腐』。
歌の意味は、病気を治す神さまの薬師如来(やくしにょらい)のやくしと、八串をひっかけたのです。
歌仔个意思係講,會醫病个神明;药師如來(yakusiniyoraiやくしによらい)个葯師(yakusiやくし)引用為八串。
「何と、なかなかやりおるわ」
「仰會恁堵好。」
あてがはずれた和尚さんは、しぶい顔をしました。
和尚師父看等目的會達毋著了,面縐縐。
でも、まだ十串も残っています。
這下伸著十串,
まさか、これを全部取られる事はあるまいと、和尚さんは安心して年上の小僧に歌をよませました。
應該毋會全部分佢拿走,和尚師父安心喊較大个細沙彌講唱。
すると年上の小僧は、
細沙彌唱:
「『小僧よければ、和尚とくし(十串)』で、十串いただきます」
「『細沙彌係好,和尚師父乜得利(tokusiとくし)』十串拿來。」
と、残りの十串を全部取ってしまったのです。
伸个十串全部分佢拿走。
ちなみに歌の意味は、『出来の良い小僧がいれば、和尚さんは得をする』というものです。
順續提一下,這歌仔係講:『若有好个細沙彌,和尚師父乜拈著好處。』
こうしてほとんどの『でんがくどうふ』を取られた和尚さんは、もう二度と歌よみ勝負をしなかったそうです。
和尚个『醬烤串豆腐』差毋多全部分細沙彌拿走,無辦法再過比唱歌仔決定輸贏。
おしまい
煞咧
註:和尚(おしょう)とは、簡単に言えば、お寺のお坊さんの事で、特にそのお寺の代表です。
註:和尚師父簡單講,係廟个和尚,特別是該寺廟个代表。
昔話には気の弱い和尚さん、気の強い和尚さん、お酒好きな和尚さんなど、個性豊かな和尚さんがたくさんいます。
在傳說故事肚,有當多特別个人物,比論講:性體好个和尚,性體強个和尚摎好酒个和尚。
お金持ちでも貧乏人でも、だれでも一度はお世話になる人なので、昔話によく登場するのもうなずけます。
難怪任何人,無論有錢人抑係窮苦人,受到都識照顧,佢長透出現在古老个故事。
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