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4月4日の世界の昔話
サルとカメ
インドネシアの昔話 → インドネシアの国情報
むかしむかし、あるところのお話です。
あたたかいお日さまが沈んだあと、急に冷たい雨が降ってきました。
それまで一緒に遊んでいたサルのクラーとカメのラオングは、あわてて近くの木の下に逃げ込みました。
「ブルブルブルー、なんて寒いんだ」
クラーが震えながらそう言うと、ラオングも口をとがらせて、
「本当だね。ブルブルブルー」
と、言いました。
「なあ、カメさんよ、明日は木を一本倒して、その木の皮で服を作ろう」
「それは良い考えだ。こう寒くては、あたたかい服がいるもんな」
さて、次の日になりました。
雨はすっかりあがって、お日さまの光がいっぱいの、とてもあたたかい日になりました。
日なたぼっこをしていたラオングは、木の上で昼寝をしているクラーに声をかけました。
「いい気分だね。サルくん」
「うん、とびきりすてきな気分さ。ところでカメさん、昨日の約束の上着はどうするの?」
「こんなにいい天気なのに、なんで上着がいるんだい。明日つくりゃあいいさ」
「それもそうだね」
こうしてクラーとラオングは、一日中、日なたぼっこをして過ごしました。
ところが夕方になると、急に冷たい風が吹いて来て、雨が降ってきました。
クラーとラオングは、
「ブルブルブルー、寒いよ」
「ブルブルブルー、明日は上着をつくろうよ」
と、震えながら約束しました。
でも、次の日になると、またのんびりと日なたぼっこです。
そして夕方に雨が降ると、また震えながら、明日こそは上着をつくろうと言います。
また次の日も、また次の日も、昼間はひなたぼっこをして、夕方の雨でブルブルと震えています。
はやく、服を作ればいいのにね。
おしまい
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