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ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >にほんむかしばなし(日本民间故事) >四月
4月19日の日本の昔話
にせ本尊
假的佛像
翻訳者 広東省恵州学院 李淑婷
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
むかしむかし、一休さん(いっきゅうさん)と言う、とんちで評判の小僧さんがいました。
很久很久以前,有一个以机智著称的名叫一休的小和尚。
一休さんが寺の小僧たちと掃除をしていると、近くの家のおかみさんがやって来て言いました。
一休和寺庙里的小和尚一起打扫的时候,附近家里的女主人过来了,说:
「小僧さんたち。ぼたもちつくったから、食ベておくれ」
“小和尚们,我做了年糕团,你们要吃吗?”
「こりゃ、うまそうだ」
“这看上去好像很好吃啊。”
「いただきまーす」
“我不客气了。”
小僧さんたちは、さっそくぼたもちにかぶりつきました。
すると、
ガチッ!
と、固い音がしました。
小和尚们这么说着,马上咬了一大口年糕团,与此同时,发出了“咔!”的一声。
「なんだ?」
“这什么啊?”
ぼたもちを見てみると、それは黒い石だったのです。
小和尚这么说着,看了一眼年糕团,发现那是黑色的石头。
「おばさん! これは石じゃないか!」
“大婶!这不是石头吗?!”
小僧たちが文句を言うと、おかみさんはドロンととんぼ返りをして、キツネの正体を現しました。
当小和尚们在抱怨的时候,女主人来回翻了几个跟头,现出了狐狸的原形。
「けけけ、おいらのぼたもちは、うまかったかあ?」
“嘻嘻嘻,我的年糕团好吃吗?”
「あっ! こいつはキツネだぞ! それ、つかまえろ!」
“啊!是狐狸!快!抓住它!”
小僧たちはキツネを追いかけましたが、キツネは素早く身を隠してしまいました。
小和尚们追赶着狐狸,但狐狸一早就隐身了。
「どこへ行ったのだろう?」
“到底去了哪里呢?”
「お寺からは、出ていないはずだけど」
“应该不会从庙里逃出去了吧。”
その時、本堂から和尚(おしょう)さんの呼ぶ声が聞こえました。
就在那时,正殿里传出住持的喊声:
「大変だあ! みんな来てくれ!」
“不得了啦!大家赶快过来!”
小僧たちが行ってみると、お堂には一体の仏さましかないはずなのに、そっくり同じ仏さまが二体並んで座っているのです。
小和尚们过去一看,本该只有一尊佛像的佛堂里面,现在有两座一模一样的佛像并排而坐。
「これは、さっきのキツネが化けているな」
“这里面肯定有一尊是刚刚的狐狸变成的。”
和尚さんと小僧たちが両方の仏さまを見比べましたが、キツネはとても上手に化けていて、どっちが本物で、どっちがキツネかさっぱり見分けがつきません。
住持和小和尚们来回比较了两尊佛像,但是由于狐狸伪装得很好,根本分不清哪个才是真正的佛像,哪个才是狐狸变成的。
「和尚さん、こうなれば、棒で頭を叩きましょうか?」
“住持,这样的话用棍子打它们的头看看?”
「いかん、本物を叩いたら大変じゃ」
“不行,打到真的就麻烦了。”
すると、今まで黙っていた一休さんが言いました。
这时,一直沉默着的一休开口了:
「何を言っているのです。
見分けるのは、簡単ではありませんか。
何しろ本物の仏さまは、和尚さんがお経を読むと、いつも舌をペロリと出しますから」
“你们在说什么呢,要分出这两尊佛像不是很简单吗?真正的佛像在听到住持念经的时候,总是会把舌头伸出来。”
そして一休さんは、和尚さんに目で合図を送りました。
一休一边说着,一边向住持打眼色。
それに気づいた和尚さんは、一休さんに合わせて言いました。
住持明白了一休的意思,配合道,
「おお、そうじゃった、そうじゃった。
一休よ、よく気が付いたな。
・・・では、さっそくお経を読むから、どっちの仏さまが舌を出すか見ていてくれよ」
“哦哦,是这样,是这样。一休你还真注意到了……那么快点念经,看看哪尊佛像会把舌头伸出来。”
そう言って和尚さんがお経を読み始めると、一つの仏さまが長い舌をペロリと出しました。
住持这么说着就开始念经,其中一尊佛像很快就伸出了长长的舌头。
「それっ、舌をペロリと出したのがキツネだぞ!」
“这个!伸出舌头的是狐狸!”
一休さんの合図に、小僧たちはキツネを捕まえると柱にしばり付けました。
随着一休的话,小和尚们抓住了狐狸,把它绑在了柱子上。
さすがのキツネも、涙を流して謝りました。
这时候狐狸也只能流着眼泪道歉说:
「助けて下さい。もう二度と、イタズラはしませんから」
“放过我吧,我以后再也不会恶作剧了。”
「本当に、二度としないな!」
“真的不要再搞恶作剧了!”
「はい、約束します」
“是的,我保证。”
「よし、なら許してやろう」
“好吧,这次就放过你吧。”
こうしてキツネは許されると、二度とお寺には近づきませんでした。
就这样,狐狸被放走之后,就再也没接近过寺庙。
おしまい
结束
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