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ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >にほんむかしばなし(日本民间故事) >七月
7月10日の日本の昔話
タヌキと彦一
狸猫和彦一
翻訳者 広東省恵州学院 関清倩
・日本語(日语) ・英語(英文) ・中国語(中文)
・日本語(日语)&英語(英文) ・日本語(日语)&中国語(中文)
むかしむかし、彦一(ひこいち)と言う、とてもかしこい子どもがいました。
很久很久以前,有一个非常聪明的孩子叫彦一。
この彦一の家の裏山には一匹のタヌキが住んでいて、毎日旅人にいたずらをしては喜んでいました。
在彦一家的后山住着一只狸猫,每天以捉弄路过的人为乐。
ある晩の事、タヌキは旅人に化けると、彦一の家にやって来ました。
「こんばんは、ちょいと、ひと休みさせてくださいな」
有一天晚上,狸猫变身为路过的旅客,来到了彦一的家,说:“晚上好。你可以让我在这休息一下吗?”
戸を開けた彦一は、この旅人は裏山のタヌキに違いないと思いましたが、知らぬ顔で家へ入れてやりました。
开了门的彦一,知道这路人肯定是后山的狸猫变的,但还是装作不知道的样子让狸猫进去了。
しばらくするとタヌキは、彦一に尋ねました。
「ところで彦一どんには、何か怖い物はあるか?」
过了一会,狸猫就问彦一:“对了,彦一,你有什么东西是害怕的吗?”
それを聞いた彦一は、このタヌキをからかってやろうと思いました。
「う~ん、怖い物か。
そう言えば、一つだけあった。
でも恥ずかしいから、誰にも言わないでくれよ。
実はな、まんじゅうが怖いんじゃ」
听到这话的彦一就想着戏弄一下狸猫,说:“嗯~害怕的东西啊。这样说来的话,是有害怕的东西。但是我觉得很不好意思,所以没有对任何人说过。其实我最怕馒头了。”
「えっ? まんじゅう?
あの、食べるまんじゅうか?!
あはははははっ、まんじゅうが怖いだなんて」
“啊?馒头?就是那个拿来吃的馒头吗?哈哈哈哈哈,你怕馒头啊。”
「ああ、やめてくれ!
おら、まんじゅうって聞いただけで、体が震えてくるんだ。怖い怖い」
“啊啊啊,快别说!俺连听到馒头身体都会怕得颤抖,太可怕了。”
ブルブルと震える彦一を見たタヌキは、
(これは、いい事を聞いたぞ)
と、大喜びで、山へ帰って行きました。
看到怕得发抖的彦一的狸猫,心想:“太好了,打听到了好东西。”说完后就很开心的回到山里去了。
次の朝、彦一が目を覚ましてみると、何と家の中に出来たてのまんじゅうが、山ほど積まれていました。
第二天早上,彦一一起来,家里居然堆满像山一样的馒头。
「おっかあ、馬鹿なタヌキからまんじゅうが届いたぞ。さあ、一緒に食おう」
“妈妈,笨蛋狸猫送的馒头到了。快,快一起吃吧。”
彦一とお母さんは大喜びで、タヌキが持ってきたまんじゅうを食べました。
彦一和妈妈很开心地吃狸猫带来的馒头。
その様子を見ていたタヌキは、だまされたと知ってカンカンに怒りました。
「ちくしょう! タヌキが人間にだまされるなんて! この仕返しは、きっとするからな!」
看到这里的狸猫知道自己被骗了,很生气的说:“可恶!我狸猫居然被人类骗了!这个仇我一定要报!”
そしてその日の夜、タヌキは村中の石ころを拾い集めて、彦一の畑に全部放り込んだのです。
(えっへへ。これで彦一のやつ、畑仕事が出来ずに困るだろう)
于是,当天夜晚,狸猫把在村里收集的石头全部放进去,放满了彦一的田。想着:“呵呵 ,这样,彦一那家伙种不了田肯定很困扰。”
よく朝、畑仕事に来た彦一とお母さんは、畑が石ころだらけなのでびっくりです。
「ああ、家の畑が!」
第二天早上,出来农作的彦一和妈妈看到满田的石头,惊讶的说:“啊,我们的田啊。”
お母さんはびっくりして声をあげましたが、しかしそれがタヌキの仕業だと見抜いた彦一は、わざと大きな声でお母さんに言いました。
「のう、おっかあ。
石ごえ三年というて、石を畑にまくと三年は豊作(ほうさく)だと言うからな。
誰がしたかは知らんが、ありがたい事だ。
これが石ではなくウマのフンじゃったら、大変な事じゃったよ」
虽然妈妈很惊讶的叫出来,但已经看穿了狸猫的伎俩的彦一故意很大声的对妈妈说:“哟,妈妈。石头三年肥。听说在田里放上石头三年的话,就会有大丰收。虽然不知是谁,但还是很谢谢他啊。如果这不是石头是马粪的话,就惨了。”
それを隠れて聞いていたタヌキは、とてもくやしがりました。
(ちくしょう! 石ごえ三年なんて、知らなかった。・・・ようし、石ではなく、ウマのフンなら大変なんだな)
躲起来的狸猫听到后,非常后悔,想着:“可恶!石头三年肥啊,我都不知道。好,不是石头,是马粪的话就惨了。”
そしてその晩、タヌキは彦一の畑の石を全部運び出すと、今度はウマのフンを彦一の畑にうめておいたのです。
于是当天晚上,狸猫把彦一田里的石头全部运出来,把马粪填满田里。
さて、タヌキのまいたウマのフンは、とてもよいこやしになって、秋になると彦一の畑ではとても見事な作物がたくさん取れました。
而狸猫撒的马粪是非常好的肥料,到了秋天,彦一的田里收获了很多农作物。
「ちくしょう。おらでは、どうしても彦一にはかなわねえ。・・・くやしいよう」
“可恶。俺怎么也捉弄不了彦一。。。太可恨了。”
作物の実った畑を見て、くやし泣きをするタヌキに、彦一が声をかけました。
「おーい、タヌキどん。お前にも、家の畑でとれたサツマイモを分けてやるぞ。何しろお前のまいたこやしのおかげで、とてもよく育ったからな」
看到田地丰收的狸猫很不甘心的哭着,彦一就叫了狸猫,说:“喂,狸猫啊。分给你我们家丰收的番薯啊。不管怎么说,多亏了你撒下的肥料,才长的这么好。”
「あっ、ありがとう」
“啊,谢谢。”
それからはタヌキはいたずらをやめて、裏山でおとなしく暮らしたということです。
从此以后,狸猫不再恶作剧,在后山里安安定定地生活着。
おしまい
結束
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