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ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >にほんむかしばなし(日本民间故事) >八月
8月26日の日本の昔話
佐渡二郎(さどじろう)と安寿姫(あんじゅひめ)の母
佐渡二郎、安寿姬的母亲
翻訳者 廣東省恵州学院 毕嘉欣
にほんご(日语) ・にほんご(日语)&ちゅうごくご(中文)
むかしむかし、平安のころ、南片辺(みなみかたべえ)の鹿野浦(かのうら)の七回り坂(ななまわりざか)の下に、佐渡二郎(さどじろう)という人買いが住んでいました。
很久很久以前,大约是在平安时代,在往南边方向的鹿野浦的七回坡下,住着
一个叫佐渡二郎的人贩子。
むかしは日本でも、お金で人を売り買いしていたのです。
在以前的日本,只要有钱是连人口也可以进行买卖的。
ある日、この人買いが越後(えちご)の直江津(なおえつ)から、美しい奥方を連れてきました。
有一天,这个人贩子从越后的直江津那带回来了一个漂亮的夫人。
この奥方は岩城半官正氏(いわきはんかんただうじ)という人の奥方で、夫が筑紫(つくし)へ流されてしまい、それで安寿(あんじゅ)と対王丸(ずしおうまる)という二人の子どもを連れて直江津までたどりついたのです。
这个夫人是一个叫岩城半官正氏的人的妻子,因为她的丈夫被流放到筑紫了,她带着安寿和对王丸两个孩子去到直江津。
その直江津の港から、舟旅で筑紫へ行こうとしたところ、その港で悪い人買いにだまされて二人の子どもとは別れ別れにされてしまいました。
正当她想从直江津的港口搭船去筑紫的时候,在港口那被可恶的人贩子骗了,和两个孩子分开了。
奥方は佐渡二郎に買われ、はるばる鹿野浦まで連れてこられたのでした。
夫人被佐渡二郎买了之后,被带到了遥远的鹿野浦。
佐渡二郎は奥方を、
「それ、飯をたけ」
「それ、薪(まき)をもってこい」
「それ、田の草を取れ」
と、朝から晩までこき使い、子どもたちの事を思って涙している奥方を見てはひどく怒るのです。
佐渡二郎从早到晚像这样“喂,去煮饭”“喂,去拿柴过来。”“喂,去田里拔草。”不停地使唤夫人,看到因为想念孩子而流泪的夫人就感到非常生气。
そして無理をした奥方は目の病にかかり、盲目(もうもく→目が見えないこと)になってしまいました。
然后,勉强自己的夫人患了眼病,变成了瞎子。(眼睛看不见)
「目をつぶすとは、この役立たずが。だが、遊ばせはせんぞ」
“眼睛看不见也就是说不能干这些活了,但是也不能让她闲着。”
佐渡の二郎は目の見えない奥方に、畑の鳥追いを命じました。
佐渡二郎命令看不见东西的夫人到田里去赶鸟。
奥方は、毎日畑に立って、
夫人每天站在田里
♪安寿(あんじゅ)恋しや、ほうやれほ
♪対玉(ずしおう)恋しや、ほうやれほ
と、歌いながら鳥を追うのです。
♪我多么思念安寿啊
♪我多么思念对玉啊
一边唱歌一边赶鸟。
そんな奥方を、村の子どもまでもがバカにして、
「ほら、安寿姫が、そこにやってきたぞ」
「おらは、対王だよ。ほれ、ここまできてみろや」
などと言っては、からかったのです。
村里的孩子都把夫人当傻瓜,常常对夫人说:
“快看,安寿姬从那边来了。”
“我是对玉哟,快过来啊。”
以此来嘲弄夫人。
奥方はそんな事があるたびに、じっと無念の涙をこらえていました。
每当遇到这样的事情,夫人都会忍住悔恨的泪水。
それから十数年が過ぎ、母を探しに安寿姫が下男(げなん)を供に鹿野浦(からのう)へやってきたのです。
十年后,安寿姬带着男仆终于来到鹿野浦,寻找自己的母亲了。
盲目になって、畑で烏を追っている母を見つけた安寿姫は、
「母上、安寿でございます」
と、目に涙をためてかけ寄りました。
看到双目失明,在田里赶鸟的母亲,安寿姬哭着跑了过去,“母亲大人,我是安寿姬。”
しかし奥方は、
「なに安寿だと。またこの悪童(あくどう)どもが、もういいかげんにおしっ」
と、夢中で杖(つえ)を振りまわして、なんと本物の安寿姫を殺してしまったのです。
但是,夫人奋力地挥了挥拐杖,“说什么安寿,又是你们这群顽童,给我适可而止了!”,接着居然把真的安寿姬给杀死了。
そのあと下男から話しを聞いて、自分が殺したのは本物の安寿姫だったと知ったのです。
后来,听了男仆的话才知道自己把真的安寿姬给杀死了。
「ああ、わたしは、何ていう事を・・・」
“啊啊,我究竟做了什么...”
奥方は安寿姫のなきがらにすがって、泣きくずれました。
夫人搂着安寿姬的尸体,嚎啕大哭。
それから奥方は下男と一緒に、安寿姫を中の川の川上にうめたのです。
之后,夫人和男仆一起把安寿姬的尸体埋在中间的河的上游。
その時、目の見えない奥方の目から涙があふれて、それが川に流れ込みました。
那个时候,看不见东西的夫人眼里充满了泪水,那些泪水滴落到河里。
その日から中の川は、毒の川になってしまいました。
从那天起,中间的那条河变成了一条有毒的河。
やがて佐渡の次郎の子孫は死に絶え、その屋敷のあった場所は草も生えない荒れ地へとかわったということです。
不久,佐渡二郎的后代都死光了,他的房子所在的地方变成了一块荒凉的地方。
おしまい
完
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