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10月19日の日本の昔話
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イラスト たつよ 提供 らくがきの日常
長ーい文字
長長个字
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、一休さん(いっきゅうさん)と言う、とんちで評判の小僧さんがいました。
頭擺頭擺,有一個安到一休个人,非常伶俐。
ある日の事、隣村のお寺へ出かけた和尚(おしょう)さんが、なにやら浮かぬ顔で帰って来ました。
有一日,和尚去隔壁村个廟,無知仰會額結結走轉來。
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そして和尚さんは、庭を掃除していた一休さんを見るなり言いました。
等佢看著在丹墀坪掃屋个一休,斯講:
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「おお、一休。わしは今日、隣村の和尚とえらい約束をしてしもうた。頭の良いお前に、知恵(ちえ)を貸してほしいのじゃ」
「噯,一休,𠊎今晡日打算摎隔壁村个和尚約定,你頭那較好,智慧借用一下。」
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「はい、わたしでお役に立つ事でしたら」
「好,斯愛𠊎做得到。」
「そうか、いつもすまんのう。
「係無?總係麻煩你,
実は、隣村の和尚と話をしていて、お前の事が話に出た。
事實係摎隔壁村个和尚打嘴鼓時節,講著你个事情,
わしが、
『一休は知恵者で、何でも知っておるし、何でも出来る』
と、言うたら、あの和尚のやつ、
𠊎講:『一休係大智慧者,麼个就知,麼个都會。』,
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『それなら知恵者の一休に、日本一長い字を書いてもらおう』
と、言いおった。
該個和尚斯應:『一休既然係大智慧者,該日本最長个字試寫分𠊎看!』,
『そんな事くらい、一休なら簡単じゃ』
と、わしも引き受けたんじゃが。
『像該種事對一休來講簡單得斯。』𠊎乜接受了。
・・・一休、お前に出来るかのう?」
‧‧‧一休,你做得到無?」
それを聞いて、一休さんは頭をポリポリとかきました。
聽著佢恁樣講,一休嗄緊爪頭那。
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「はあ。・・・仕方ありませんね。日本一長い字、明日までに何とか考えてみます」
「ha24。‧‧‧無法度呢。日本最長个字,韶早前分𠊎想看哪。」
次の朝、一休さんは和尚さんのところへ行くと、ニコニコしながら言いました。
第二日朝晨,一休去和尚該位个時節,笑咪咪講:
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「和尚さん。日本一長い字を書きますから、隣村のお寺へお使いを出して、あちらからうちの寺まで紙をしきつめる様に言ってください。
「和尚師父,因為愛寫日本最長个字,請你去隔壁村个廟摎佢講,對佢該片到恩俚這片用紙鋪淰來。
それと、竹ぼうきで作った筆と、たらいにいっぱいの墨(すみ)を用意してください」
另外,竹袪把做筆,用盆仔張淰烏墨水。」
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「おお、出来るのか!よし、わかった!」
「哦,你做得著係無?好!了解!」
さて、日本一長い字を書く用意が出来ると、一休さんは隣村のお寺に出かけました。
寫日本最長个字个東西準備好以後,一休去到隔壁村个廟。
隣村の和尚さんは、一休さんに言いました。
隔壁村个廟該和尚斯對一休講:
「まったく、こんなにたくさんの紙を用意させおって。書けるもんなら、書いてみろ。ただし、もし書けなかったら、紙代を弁償(べんしょう)してもらうぞ」
「用忒恁多紙,會寫就寫來看啊,係毋會寫,紙錢愛監你賠哦!」
「ご心配なく。それでは、わたしについてきてください」
「毋使愁,跈𠊎行。」
一休さんは竹ぼうきで作った太い筆に墨をたっぷりふくませると、つううううーっと、紙の上にまっすぐな線を走らせました。
一休擎起竹袪把做个筆,張淰烏墨水,在白紙頂畫線仔,
その線はどこまでもどこまでもまっすぐ続き、一休さんたちのお寺でようやく止まりました。
直直畫,畫到一休該隻廟正停下來,
隣村の和尚さんは、一休さんに怖い顔で言いました。
隔壁村个和尚惡擎擎對一休講:
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「なんじゃあ、これは!?
「這係麼个東西?
これは、ただの線ではないか!
這毋係斯一條線嘎!
こんな物は、字とは言えん。
這毋係字。
さあ、約束通り紙代を弁償してもらおうか」
照約定你愛賠紙錢,敢毋係?」
すると一休さんはニッコリ笑い、今まで引いてきた線の最後をピンと右にはねて言いました。
一休笑咪咪,摎頭下畫好个線仔最尾向正片析勾隻鉤仔上去,講:。
「はい。これで日本一長い字が書けました」
「好了,日本最長个字寫好了。」
「字だと?これのどこが・・・、あっ!」
「係字?這‧‧‧、啊!」
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「そうです。これは、ひらがなの『し』でございます」
「係哪,這就係平假名『し』(shi)字。」
こうして見事に日本一長い字を書いた一休さんのとんちは、ますます評判となりました。
寫出日本最長个字个一休,佢个伶俐還較出名。
おしまい
煞咧
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