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福娘童話集 > 百物語 > 一月
1月28日の百物語
(1月28日的日本鬼故事)
人食い和尚
吃人和尚
・日本語 ・日本語&中国語
むかしむかし、快庵(かいあん)という、とても偉いお坊さんがいました。
到好久以前、有個好厲害的喊快庵的和尚。
そのお坊さんが、修業の旅をしている頃のお話です。
這還是他修行時旅行發生的事。
日が暮れてきたので、お坊さんは一晩泊めてもらおうとある村に立ち寄ったのですが、畑仕事をすませた村人たちはお坊さんを見るなり、
這天、快天黑晚上了、和尚也是想邏個地方歇、就走到一條村裡面、鄉里人幫田种完這一看到和尚。
「山の鬼が来たぞ!」
鬼進村了啊!
と、大声で叫びながら、手にしたクワや天秤棒(てんびんぼう)で殴りかかってきたのです。
大聲一嬉、這就取鋤頭跟扁擔對到和尚挖。
「こら! いきなり何をする!」
你們這是突然搞甚麼?
お坊さんは素早く身をかわし、そのはずみでかぶっていた青いずきんが落ちたので、村人たちは人違いだとわかりました。
和尚躲的快、這麼一搞腦殼上帶到的青色頭巾一落、鄉里人這才曉得自己認錯了。
村人たちはお坊さんに深々と頭をさげると、お坊さんに事情を話しました。
村人也是不好意思、幫話也是跟和尚港清楚了。
「この村の近くにお寺があり、そこに心優しい和尚さまがいました。
這村邊也有個廟、裡面有個善和尚
和尚さまには、とても可愛いがっていた一人息子がいたのですが、突然の病気に亡くなってしまいました。
和尚有個獨子、有天就突然害病死了。
和尚さまはあまりの悲しさに息子が死んでしまった事を認めようとはせず、生きていた時と同じ様に抱いたりおぶったりしていました。
自己兒死了和尚接受不了、還是以為他活到的、
繼續又抱又背
ですがそのうちに、その息子の体が腐り始めて、ひどい臭いを村中にまき散らしたのです。
但是一久這身上就臭啦、味道就散到村裡面的
そこで我々が、なんとか和尚さまと息子の亡きがらを引き離そうとしたのですが、和尚さまは『大事な息子を取られるぐらいなら』と、その息子の肉や骨を食べてしまったのです」
村裡人就到廟裡面去幫和尚跟他兒拉開、和尚他不要、他寧願幫自己兒吃了也要和他到一起。
「それは、ひどい!」
這傢伙厲害。
お坊さんは、思わず顔をそむけました。
和尚也是著奒一哈。
村人たちは、そのまま話を続けました。
村人就繼續港
「そしてその時に人肉の味を覚えてしまった和尚さまは、毎晩の様に村の墓場へやって来ては墓を掘り起こして、死体をむさぼる様になったのです。
あの心優しい和尚さまは、人食い鬼になってしまったのです。
それで我々が人食い和尚さまを退治しようと待ちかまえていたところへ、あなたさまがやって来たので、間違えて殴りかかってしまいました。
どうか、お許しくだされ」
那之後他就曉得人肉的味道了、每天晚上要到墓地去挖別個墳、豺(咬)那條屍體。
一條好和尚就變成吃人肉的鬼了
現在我們就等到想幫搞那條和尚弄了、你剛好又一來、就被我們認錯了
也是莫太在意。
村人たちはお坊さんに、もう一度深々と頭を下げました。
村人也是跟和尚港對不起
お坊さんはそれに頷くと、
和尚點頭
「お話しは、わかりました。
殴りかかられた事は、もう怒ってはいません。
それよりも、この地にわたしが訪れたのも何かの縁です。
人食い和尚の事は、わたしが何とかしましょう」
也是港自己曉得了
被打其實也米怎麼樣
我到這裡也是緣分
這個和尚的事我也可以著手處理一哈。
お坊さんは、村人に教えてもらったお寺へと出かけました。
和尚跟去村人港的那條吃人廟去了
しかしそのお寺はずいぶんと荒れ果て、まるでお化け屋敷の様です。
這廟已經好破了、就是條鬼屋。
「すみません。わたしは、旅の坊主です。どうか今夜一晩、ここに泊めて下され」
我是過路的和尚、想借廟住一晚。
お坊さんが声をかけると、寺の奥からやせこけた和尚さんが現れました。
和尚一打招呼、廟裡面一個好瘦的和尚也出來了。
そして、お坊さんをするどい目で見ると、
瘦和尚就盯到和尚。
「どこへでも、好きな所で休むがよい」
你看自己邏個看得起地方
と、言って、そのまま奥へ入ってしまいました
港完自己又進到裡面去了。
その夜ふけ、お坊さんが寺の本堂で座禅を組んでいると、あの和尚さんがやって来て、あたりをキョロキョロ見回しながら何かを探し始めました。
那天晚上和尚就打坐到廟堂裡面的、另外個和尚就過來偷偷步。
目の前に座っているお坊さんには、まったく気がつかない様子です。
就好像完全看不到那條打坐的和尚一樣。
そして一晩中、何かを探していた和尚さんは、やがて疲れ果てて、ばったりと倒れてしまいました。
那一條晚上就像是一直到邏甚麼東西一樣的、最後力氣一用完就癱到地上的。
間もなく東の空が明るくなると、和尚さんは夢から覚めた様に起き上がりました。
天也亮了、鬼和尚從夢裡面一醒
そしてお坊さんに気付くと、へなへなとしゃがみ込んで言いました。
就看到正到打坐的和尚、也是蹲到地上米甚麼力氣的港。
「わたしの目は死人を食べてから、もう死人しか見えなくなってしまいました。
我自從吃了死人、現在眼睛裡面也只看得到死人。
わたしは、もう人間ではありません。
我早就已經不是人了
しかし死ぬ時は、人間として死にたい。
但是死的時候、希望可以跟人一樣。
その為なら、どんな苦行にも耐えます。
這就是為了這個我甚麼都可以忍。
どうぞわたしを、お助けくださいまし」
我也是希望你可以幫哈我。
和尚さんは、お坊さんに涙をこぼして頼みました。
鬼和尚也是哭到求和尚
「わかりました。そのお覚悟があるのなら、ここへお座りなさい」
你有這條心、也是先到這裡坐落來。
お坊さんは和尚さんを大きな石の上に座らせて、自分のかぶっていた青ずきんをその頭にかぶせてやりました。
讓鬼和尚坐到石頭上、和尚幫自己的頭巾往他腦殼上面套。
「石の上で一心にお経を唱えれば、いつか人間の心に戻れるはず。それまでは、どんな事があっても動いてはなりません」
你做到上面唸經就是、肯定可以恢復人性、不管有甚麼事、你都要不動。
そう言って、お坊さんはお寺を出て行きました。
和尚港完就出去了
さて、それから一年後、お坊さんは再び、あのお寺を訪ねてみました。
一年後和尚又回來到這個廟裡面
するとお寺は一年前よりもさらにひどく荒れ果てていて、今にもくずれそうです。
廟比以前更殘了、馬上就可以塌了的這種。
「まさか、まだ人に戻っていないのか?」
難道是失敗了?
お坊さんは和尚さんに念仏を唱える様に言った、大きな石の所へ行ってみました。
和尚就走到當初讓鬼和尚唸經的那塊石頭上面去看
するとあの石の上に、まるでガイコツの様にやせ細った和尚さんが、蚊の泣く様な声でまだ念仏を唱えていたのです。
就看到石頭上面、和一副骷髏一樣的鬼和尚、還到哪裡小聲的蚊子唸經。
「このおろか者!
人間として、死にたいのではなかったのか!
まだ人間に戻れぬのは、お主の心にまよいがあるからだ!」
你這條廢物
你不是港要像人一樣的死嘛
現在還變不回去
是說明你心中還有牽掛
お坊さんは、持っていた杖を振り上げました。
和尚就拿起自己的杖去敲。
「しかたがない。
わたしが、お主を成仏させてやろう。
・・・かっ!」
這米辦法了
我親自度你成佛
お坊さんはするどく叫んで、和尚さんの頭に杖を打ちおろしました。
すると和尚さんの体は一瞬にして砕け散り、そのあとには青いずきんだけが残りました。
和尚就大吼一哈、拿到仗對到鬼和尚腦殼就是一下。
杖一落、鬼和尚的身體就瞬間變成粉末像沙子一樣碎到地上的、就留落來當初那個青色的頭巾。
その後、村人たちは、この荒れ寺を新しく建て直すと、新しい和尚さんが決まるまで、このお坊さんに住んでもらったそうです。
那之後村裡人也是重新修了這個廟、有新的住持之前、就都喊這個和尚先住到。
おしまい
结束
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