福娘童話集 > きょうの百物語 福娘童話集 きょうの百物語 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
 


福娘童話集 > きょうの百物語 > 3月の百物語 > 吼牛山(もうしやま)

3月17日の百物語

吼牛山(もうしやま)

吼牛山(もうしやま)
長崎県の民話 → 長崎県の情報

日本語 ・日本語&中国語

♪音声配信(html5)
音声 ひかる

 むかしむかし、ある山のふもとに、とても欲張りで人使いの荒い長者が住んでいました。
 この長者には、おゆきという一人娘がいます。
 おゆきは父親とは違って、とてもやさしい娘で、使用人たちにもとても親切でした。
 そのおゆきが、長者の牧場で働く道太郎という若者と恋仲になったのです。

 ある日の事、牧場の見張りをしていた道太郎は、うっかり一頭の子牛を見失ってしまいました。
 さあ、この事が長者に知れては大変です。
 道太郎は必死になって子牛を探しましたが、ついに小牛は見つかりませんでした。
 しょんぼりと家に帰って来た道太郎は、長者に土下座をしてあやまりました。
 すると長者は、
「土下座ぐらいで、牛一頭を許してもらえると思うのか! もう一度探してこい! 見つかるまで、帰って来るな!」
と、道太郎を家から追い出したのです。
 道太郎は仕方なく、まっ暗な山の中を再び子牛探しに出かけました。
 そして道太郎は、そのまま帰ってはきませんでした。

 おゆきは心配で、食事も喉を通りません。
「もしかすると、オオカミに襲われたのかもしれない」
 そして十日目になると、おゆきはついに道太郎を捜しに家を飛び出したのです。
 そしておゆきも、そのまま帰ってはきませんでした。
 この時、長者はおゆきと道太郎が恋仲であった事を知り、自分はひどい事をしたと涙を流しながら後悔をしたのです。

 それからしばらくすると、二人が消えた山に化け物が出るとの噂が流れました。
 その化け物は人間の子どもの様なやさしい顔に黒牛の体を持っており、鳴き声も牛にそっくりだと言うのです。
 人々は、おゆきと道太郎の怨念が、この化け物になったとうわさをしました。
 それ以来、この山は『吼牛山(もうしやま)』と呼ばれるようになったそうです。

おしまい

前のページへ戻る


     3月17日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
漫画週刊誌の日
きょうの誕生花
山茱萸(さんしゅゆ)
きょうの誕生日・出来事
1983年 藤森 慎吾 (タレント)
恋の誕生日占い
いつもニコニコ笑っていますが、実はとても努力家
なぞなぞ小学校
傘がひっくり返るところは?
あこがれの職業紹介
アニマルセラピスト
恋の魔法とおまじない 077
想いを伝えるおまじない
  3月17日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
ステレンキョウ
きょうの世界昔話
パンドラの箱
きょうの日本民話
山弥長者(さんやちょうじゃ)
きょうのイソップ童話
ゼウスの裁判
きょうの江戸小話
あわて医者
きょうの百物語
吼牛山(もうしやま)

福娘のサイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日などを紹介
福娘童話集
日本最大の童話・昔話集
さくら SAKURA
女の子向け職業紹介など
なぞなぞ小学校
小学生向けなぞなぞ