| 
      | 
     
      福娘童話集 > 百物語 > 三月 
         
      3月24日の百物語 
       (3月24日的日本鬼故事) 
        
       
大野の化け物屋敷 
    大野鬼屋 
     
    ・日本語 ・日本語&中国語 
      
      むかしむかし、能登の国(のとのくに→石川県)に、大野長久(おおのながひさ)という俳人(はいじん→俳句を作る人)がいました。 
        到好久以前、能登國(現石川縣)有個喊大野長久的有點文才的詞人。 
         
      長久は、代々大きな屋敷に住んでいましたが、 
      世世代代都是住到大房子裡面的、但到他這代。 
       
      「なんでも、自然のままがいい」 
      港甚麼卵無為而治 
       
      と、言って屋敷の手入れもせず、荒れるにまかせていました。 
        房子也不修就放到讓他爛 
         
      おかげで壁は薄汚れ、最近では雨漏りもします。 
      牆上也烏漆麻黑了、最近還開始漏雨。 
       
      ある秋の事、この長久の屋敷に化け物が現れるといううわさが広まりました。 
      後面到了秋天、都變鬼屋了、別個都港這地方鬧鬼。 
       
      夜中に明かりを持った黒い影が、屋敷の庭を歩き回っているというのです。 
        晚上鬼打到燈籠到院子裡面到處轉。 
         
      しかしそれを聞いても長久は、 
      主人曉得這條也只是 
       
      「化け物など、馬鹿馬鹿しい。きっと、何かの見間違えだろう。もし、たとえ本当の化け物であったのなら、それもまた風流ではないか」 
      鬼甚麼的、都是假的、就算真的有鬼、那也有古色蒼然的境意到裡面了、優雅。 
       
      と、気にしませんでした。 
        完全不在意。 
         
      そんなある晩の事、隣町でかさをつくっている男が、注文のかさを届けにこの屋敷へやって来ました。 
      就有天晚上、旁邊街上專門做斗笠的一個人、就幫這屋送斗笠來了。 
       
      屋敷の門をくぐって、ふと顔をあげてみると、庭の方でちらちらと明かりがゆれています。 
      過門望一眼、院裡面怎麼有燈籠到閃。 
       
      「何だろう?」 
        甚麼情況? 
         
      よく見ていると、黒い人影が手にあんどんを持って、庭の中をあっちへ行ったり、こっちへ行ったりしているのです。 
      原來是條鬼影提條燈左邊走兩腳右邊走兩腳。 
       
      (へーっ、さすがは風流の人。こんな夜に、庭を歩き回るとは) 
      也是有雅興、晚上提條燈到自己屋到處走。 
       
      かさ屋が感心していると、明かりが庭のすみで、ふっと消えました。 
      帽子老闆才港完、那曉得燈籠再一到角角、過不見了。 
       
      (きっ、消えた。まさかこれは、うわさの化け物では・・・) 
      怎麼得不見了、這地方莫心(難道)是真有鬼哦 
       
      怖くなったかさ屋は、急いで屋敷の中へ飛び込みました。 
      帽子老闆馬上往屋子裡面跑。 
       
      「ごっ、ごめんください。注文のかさをお届けに来ました!」 
      人好慌、客套一哈就正題了、我斗笠送過來了啊! 
       
      すると長久が出て来たので、たずねました。 
      看主人出來了、就問一哈。 
       
      「あの、もしや、今さっき、庭を歩いておられたのでは?」 
      剛剛提條燈籠到院裡晃的人是你啊? 
       
      「いいや、さっきから部屋にこもっていたが」 
      覓(沒)、我一直到房裡 
       
      「それじゃ、誰かが庭を歩いていましたか?」 
        那走的是你屋那個? 
         
      「この屋敷に住むのは、わしと手伝いの年寄り夫婦だけだ。二人とも自分の部屋にいると思うが。それが何か?」 
      我這邊就我、還有兩個老夫妻夥計、都到自己房啊。 
       
      かさ屋は真っ青な顔で、さっき見た事をくわしく話しました。 
        帽子老闆就港自己剛剛看到有條鬼到走、好激動 
         
      しかし長久は、顔色一つ変えません。 
      主人根本不慌 
       
      「なるほど、うわさは本当であったか。しかし、別に悪さをするわけではなし、騒ぐほどの事でもあるまい」 
      真的有鬼啊、那也不要緊、也覓吵到我、覓害人。 
       
      「今は何もなくとも、そのうちに恐ろしい事が起こるかもしれません。ここは祈祷師(きとうし)に頼んで、お経をあげてもらってはいかがですか?」 
      現在覓事、以後啦、你趕快請個師傅過來、幫你屋除哈靈。 
       
      「うむ、まあ、そのうちに考えておこう」 
      到時候在港。 
       
      長久はかさを受け取ると、さっさと奥へ引き下がりました。 
        主人幫帽子一取、跟到就回房了。 
         
      かさ屋は外に出て、恐る恐るもう一度庭をながめてみましたが、あんどんを持った人影はありませんでした。 
      帽子老闆一出去又要經過院子、心裡好不舒服又開始慌、這次覓看到鬼。 
       
      それから数日後の夕暮れ。 
        幾天後、黃昏。 
         
      客が来るというので、古い道具を出しに裏庭の蔵へ行ったおばあさんが、 
        屋裡來客人了、老婆婆就到後院倉庫取東西。 
         
      「うへぇーー!」 
        叫聲 
         
      と、大きな悲鳴をあげました。 
      大聲一嬉 
         
        (何事だ!) 
        甚麼事啊! 
         
      長久とおじいさんが駆けつけると、なんとおばあさんが気を失って倒れているではありませんか。 
      主人馬上跑過來、老婆婆已經倒地上暈了。 
       
      「どうしたのだ!?」 
      這是甚麼鬼? 
       
      おばあさんを必死で介抱すると、気がついたおばあさんは、よほど怖い物を見たらしく、ブルブルと震えながら蔵の前に積んであるまきを指差して、 
      就抱到老婆婆、一直喊啊搖啊、老婆婆緩過來氣、手指頭就指到倉庫門口堆到的柴火的、好慌亂。 
       
      「あっ、あそこ、あそこ」 
      哪裡哪裡哪裡 
         
        と、言うのです。 
        一直念。 
         
        二人はまきの周りを調べましたが、特に変わった様子はありません。 
        二個人就去看啦、也覓得甚麼東西。 
         
      そこで、もう一度おばあさんに確かめると、 
      老婆婆又自己轉一圈。 
       
      「土の上、一尺(いっしゃく→三十センチ)ばかりのところを四角いちょうちんみたいな明かりが、ふらふらと進んでいくので、びっくりして足を止めたら、明かりの中から人影が現れて、こっちを向いたのです。その顔は気味悪いほどに青くて、しかもあんどんの様に四角でした」 
      港自己剛剛看到一個長方體的燈籠、飄到天上的、離地有三十釐米、自己到動、幫我骸定了、燈籠裡面又出來條人影、朝到我的、臉好骸人、而且和燈籠一樣也是方的。 
       
      と、言うのです。 
        解釋 
         
        そこで長久は人を呼んで屋敷の中をすみずみまで調べてみましたが、怪しい物は何一つ出てきませんでした。 
        主人幫所有人都喊到、檢查屋裡所有地方、硬是覓發現一點問題。 
         
      そんな事があってから、人々はこの屋敷を『大野の化け物屋敷』と呼んで、誰も近づこうとはしませんでした。 
      這事之後、別個直接喊這屋、大野鬼屋、覓得人敢靠近了。 
       
      そしてしばらくすると、この屋敷から主人の長久と手伝いの老夫婦が姿を消してしまったそうです。 
      後面到屋裡做事幫忙的老夫妻、還有主人自己、也都過不見了。 
      おしまい 
        结束 
         
        (回到上一页) 
         
        
  | 
      | 
    
      
       |