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ふくむすめどうわしゅう(福娘童話集) >ひゃくものがたり(百物語) >四月
4月20日の百物語
百物語(百物語から一年目)
百家物语(从百家物语开始的第一年)
翻訳者 広東省恵州学院 謝麗芬
にほんご(日语) ・ちゅうごくご(中文) ・日语&中文
むかしむかし、ある村の寺に集まった若者たちが、百物語を始めました。
很久很久以前,有一群年轻人们聚集在某个村的寺庙里面,开始玩讲各种各样鬼怪故事的游戏。
本堂には百本のろうそくが立てられ、怪談を語り終えた者から順番に一本ずつろうそくの灯を消していき、最後の百話が終わる頃には夜もふけていました。
在寺庙的正殿里面立着一百根蜡烛,从每说完一个鬼怪故事的人那里开始按顺序熄灭一盏蜡烛,最后结束的那个故事也就是第一百个故事结束的时候就已经到深夜了。
最後まで寺に残っていた庄屋の息子と刀屋の息子は、同じく最後の話を語った小坊主のすすめで、そのまま寺の本堂に泊まる事にしました。
到最后剩下庄家的儿子和刀家的儿子还留在寺庙里面,他们在说完同样是最后一个故事的小和尚的建议下,决定就那样在寺庙的正殿里住一晚。
三人は仲良く並んで横になると眠りにつきましたが、庄屋の息子だけは、どうにも寝つかれなくて、夜明けが来るのをぼんやりと待っていました。
三个人亲密地并列着睡觉,但是只有庄家的儿子怎么也睡不着,迷迷糊糊地等着天亮。
その庄屋の息子の目に、ふいに白い物がうつったかと思うと、それはしだいに形を整えていき、長い髪の女が恨めしそうに立っているのがはっきりと見えてきました。
那个庄家的儿子突然看到有白色的东西飘了进来,那个东西渐渐成了形,他的眼睛里能够清楚地看到一个长发飘飘的女子,好像带着怨恨的眼神站在那里。
女はまず小坊主のところへ行って、白い息を吹き込みました。
那个女子首先去了小和尚的地方,然后对着他吹进了白色的气。
次に刀屋の息子にも、同じ事を繰り返しました。
接着对刀家的儿子也是做了同样的事情。
(ああ、今度はおいらの番だ。おいら、死ぬのかな)
(啊,接下来就轮到我了吧,我们会不会死了啊?)庄家的儿子这样想着。
庄屋の息子は、ブルブルと震えながら固く目を閉じていると、
庄家的儿子一边不停地在发抖,一边紧紧地闭着眼睛。
コケコッコー!
“咯咯咯…”
外で一番鳥が鳴いて、女の気配が急になくなりました。
外面响起了鸡叫声,而女人的样子突然就消失了。
庄屋の息子は目を開けて女のいない事を確認すると、すぐに横の二人をゆさぶり起こしました。
庄家的儿子睁开眼睛确认了那个女子不在了之后,马上起身摇晃躺着的那俩个人。
でもすでに、二人とも死んでいたのです。
但是那俩个人都已经死掉了。
命拾いをした庄屋の息子は、氏神(うじがみ)さまへお礼と厄払いをかねて、二十一日間の願掛けをしました。
捡回了一条命的庄家的儿子马上去地方守护神那里表示感谢并且驱除不祥,也就是希望去掉身上的晦气,在那里祈祷了整整二十一天。
その帰り道に、とても美しい女に出会った庄屋の息子は、不思議な縁を感じてその女と所帯を持ち、幸せな一年を夢の様に過ごしました。
在回家的路上,庄家的儿子遇到了一个非常漂亮的女子,他觉得这缘分有点奇怪,不过还是跟那个女子组建了家庭,然后像梦一样过了非常幸福的一年。
そして何気なく、一年前の恐ろしい出来事を思い出した庄屋の息子は、髪をとかしている女房の顔を見て、はっとしました。
但是在不经意间,庄家的儿子突然想起了一年前那件恐怖的事情,然后看到正在梳头发的老婆的脸,吓了一大跳。
(今になって気づいたが、女房の顔は、あの時の女の顔にそっくりだ)
(他直到现在才注意到老婆的脸和那个时候的女人的脸一模一样。)
でもそれに気が付いた時には、庄屋の息子は死んでいたのです。
但是当庄家的儿子注意到这件事的时候,他就死了。
この日はちょうど、百物語の夜から一年目だったそうです。
这一天好像就是那晚讲百家物语后正好满一年。
おしまい
結束
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