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福娘童話集 > 百物語 > 六月
6月3日の百物語
(6月3日的日本鬼故事)
花に化けた山姥(やまんば)
山婆花
・日本語 ・日本語&中国語
むかしむかし、ある山間に、小さな村がありました。
到好久以前、山縫裡面有條小村。
ここは土地が狭く日当たりも悪いので、お米がろくにとれません。
這地方小、光線也差、種地甚麼的就不方便、米覓(沒)甚麼收成。
それでも村人たちは、お正月が近くなるとお米でもちをついて神さまにそなえたり、自分たちで大事に食べたりしていました。
但是一過年還是幫米打成粑粑、先祭神在吃。
そんな村に、山から山姥(やまんば)がやって来て、
這村裡面就從山上下來條山婆。
「もち、食わせろ!」
我要吃粑粑!
「もち、よこさねえと、暴れるぞ!」
不過粑粑吃、你們都要爛!
と、村人に大きな手を突き出したのです。
好大一條手就持到村民面前的。
村人が仕方なくもちを差し出すと、
村民就只好交粑粑啦。
「もっと、食わせろ!」
不夠!
「もっと、よこせ!」
我還要!
と、山姥は何度も何度も手を突き出しました。
山婆還要更多的粑粑。
困った村人たちは、庄屋(しょうや)さんのところへ相談をもちかけました。
村民這就邏村長。
「庄屋さま、何とかならんもんじゃろうか?」
我們這不想個辦法啊?
「このままでは、村のもちを全て食べつくされてしまいます」
這麼落去、我們一個村的粑粑都要覓(沒)得。
「そうだな。
うまくいくかどうかわからんが、わしに考えがある。
ひとつ、試してみるか」
我也不曉得這事行不行、反正先試一哈。
そう言って庄屋さんは、庭でもちを焼き始めました。
地主就開始到院子裡面烤粑粑。
でも、本物のもちは一つだけで、あとはもちに形が似た石です。
真粑粑一個、其餘都是石頭。
やがて本物のもちが焼けてくると、そのにおいをかぎつけた山姥が山から下りて来ました。
粑粑燒到燒到、山婆就聞到這股騷氣從山上下來了。
「もち、食わせろ!」
粑粑!
すると庄屋さんは、
村長
「よしよし。では、一番でっかいのをやろう。さあ、口をいっぱいに開けてくれ」
好好好、我跟你吃條最大的、來嘴巴張到。
と、熱く焼けた石を火ばしではさむと、山姥の大きな口に放り込みました。
這就用火鉗夾塊火石頭往山婆嘴巴裡面放。
すると、
「ギャーーーーー!」
啊啊啊!!
口を大やけどした山姥は泣きながら山へ逃げ帰り、二度と村へ来る事はありませんでした。
山婆嘴巴著燒、哭到就跑啦、在就覓來村裡面過。
「さすがは、庄屋さまじゃ」
村長還是厲害。
「めでたい、めでたい」
好傢伙、好傢伙
村人たちは、大喜びです。
這就都開心。
さて、次の年の春。
第二年春天。
庄屋さんの屋敷で働いている娘が屋敷の前の川で洗い物をしていると、山姥が住んでいた山の方から珍しい形の種が流れて来ました。
村長他屋打雜的就河裡面洗衣服、從山婆住的那條山、河流就漂過來一條甚麼東西、是顆奇異的種子。
「あら、庄屋さま。これは何の種でしょうか?」
「さあ、見た事もない種だな。よし、ためしに育ててみよう」
老爺你看這是條甚麼種子哦?
不曉得、覓看到過、試到种一哈嘛。
庄屋はその種を庭に埋めて、せっせと水をやりました。
老爺院子裡面一埋、這就又天天澆水。
するとすぐに可愛い芽が出てきて、だんだんに茎を伸ばし、青々とした葉っぱを広げて、朝顔の様な形の大きな赤い花を咲かせたのです。
這就冒芽長高生葉子、一朵像是大喇叭花的花就出來了、紅紅的。
「こりゃあ、見事じゃ。これほどの花は、見た事がない」
這花好看、我還都覓看過這種花。
喜んだ庄屋さんがその花に顔を近づけてながめていると、その花はたちまち山姥の恐ろしい顔になって、
老爺想看清楚點、就幫臉一靠、一哈花就變成山婆臉了。
パクリ!
張開大嘴的樣子。
と、庄屋を飲み込んでしまったのです。
這就幫老爺吃啦。
おしまい
结束
朗読者情報 台湾居住者 Judy
日本で20年の生活を経た後、本国の台湾に戻ったジュディーは日本と台湾の架け橋となり、通訳、翻訳、日本語教師を経験後、現在は日本語を使い、様々な分野の録音に携わっています。
台湾日文配音者です。
朗読に関するご意見ご要望はjudy.yen1204@gmail.comまでお願いいたします。
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