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福娘童話集 > 百物語 > 七月
7月8日の百物語
(7月8日的日本鬼故事)
亡霊の果し合い
死人架
・日本語 ・日本語&中国語
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「つれづれ居士」 つれづれ居士
むかしむかし、根来仙三郎(ねごろせんざぶろう)という、剣術に優れた若い侍がいました。
好久以前、一個喊根来仙三郎的劍術超群的年輕武士。
ある秋の日の事、仙三郎(せんざぶろう)は、ふとした事から友だちの松山新五郎(まつやましんごろう)と口論(こうろん)を始めました。
這事發生到秋天、仙三郎和友、松山新五郎之間稍微起了點口角。
「だから、お前の方が悪い」
「いいや、悪いのはお前の方だ」
都幫鍋往對方身上甩
二人は言い張って、お互いにゆずりません。
就都不肯接鍋。
そしてとうとう、二人は果し合い(はたしあい→決闘)とする事になったのです。
這就只能打死人架了。
「明日の辰の刻(たつのこく→朝の八時ごろ)。あかねが原に来い」
這時間地點都選好了。
「よしっ。キッパリとかたをつけよう」
好、到時候這事情就清常了(搞清楚)。
その夜、仙三郎は机に向かって本を読んでいましたが、頭の中は明日の果し合いの事でいっぱいです。
當夜、仙三郎覓(沒)睡、挑燈夜讀、腦殼裡面一直到想明天要發生的事。
(なぜ、あいつは自分の間違いを認めないのだ? あいつが意地を張るせいで、長年の友を失う事になったではないか)
堅持自己的錯誤、正是接受不了自己無能的事實、害怕刺痛自己的心、將責任移嫁他人、是懦弱的表現、而他值得我委屈自己去遷就嗎?
そんな事を考えていると、ふと庭に人の気配を感じました。
腦殼是浮想連連、注意到前院來人了
(もしや、あいつが謝りに来たのか?)
以為莫不是那吊毛半夜跑過來認罪來了
仙三郎が庭の茂みに目を向けると、茂みのかげに怪しい二つの影が動いていました。
仙三郎望向庭中草木、二條暗影遊動
「なに奴だ!」
那個!
仙三郎は刀を取ると、縁側に立って叫びました。
仙三郎取刀站屋簷下。
しかし二つの影は答えず、お互いに争っている様子です。
二個影子不應、好似到爭鬥的樣子。
月明かりをたよりに仙三郎が目を凝らすと、それは刀を抜いて戦っている二人の武士でした。
藉助月光、仙三郎凝神、是二個武士。
それもよろいかぶとに身をかためた武士で、かぶとの下から見える顔は死人の様に青白いものでした。
都佩有盔甲、就是面容顏色跟死人無異。
年はまだ若いようですが、体はまるで骨だけのようです。
兩條看起來都還年輕、不過支撐起身體的好像就只有骨頭了。
二人は、いくたびも刀を合わせます。
持續的刀劍爭鳴。
やがて一方が力尽きて、よろめきながら倒れました。
一方倒下了。
しかしすぐに不思議な力で突き上げられる様に起き上がり、また相手に切りつけます。
但是不曉得哪裡來的力氣、又再次蘇生、繼續相討。
そして相手の武士が倒れると、これまた不思議な力で突き上げられる様に起き上がり、相手に切りつけていきます。
這就往往復復、好似輪迴不止、覓(沒)得盡頭。
そんな事が、二人の間で何度も何度も続けられました。
兩人死了又生生了又死。
そのうちに、一人の武士が言いました。
其中一個港話了
「ああ、おれはもう駄目だ」
我已經夠了
「おれも駄目だ。お前を殺すくらいなら、おれが死んだほうがましだ」
我早就不行了、我寧願自己死也不要殺你
「いや、死ぬならおれが死のう。だが、この刀が、この刀が」
要死也是我死、問題是這個刀、刀啊
「そうだ。どうしても、刀が手から離れぬのだ」
對啊、刀他就是不放手啊、甩都甩不丟。
「おれたちはきっと、この刀の亡霊(ぼうれい)にとりつかれているのだろう」
我們肯定是被刀下亡魂上身了啊
「刀の亡霊め。なぜおれを苦しめる。いや、おれたち二人を苦しめるのだ」
為甚麼要幫我變成這個樣子、啊不對、是我們兩個。
「刀めっ」
刀啊
「にっくき、刀めっ」
刀啊
「こんな事なら、あんな口論など、しなければよかった」
要是曉得是這鬼事、當初就不該吵架
「そうだ。つまらぬ事で果し合いをしたから、刀の亡霊にとりつかれたのだ」
對、單挑變成被刀魂上身。
二人の武士はうめく様に言って、なおも戦いを続けました。
二條武士叫苦連天、這又繼續打死人架。
それを見ていた仙三郎は、思わず叫びました。
仙三郎見狀連忙喊停。
「やめろーっ!」
そして自分の大きな声に、仙三郎はハッと我に返りました。
大聲一嬉衝夢中醒來了。
「・・・ゆっ、夢か」
是夢
あくる朝、仙三郎は急いで新五郎の屋敷をたずねると、新五郎が真っ青な顔で出てきました。
第二天仙三郎馬上去邏新五郎、五郎是一臉白。
「おい、どうかしたのか? 顔色が悪いぞ!」
你臉怎麼這麼黑啊!
「おお、仙三郎か。よく来てくれた。実はおれも、お前の家へ行こうと思っていたところなんだ」
來、我快點跟你港、其實、我本來是想先去你屋邏你的。
話を聞くと、新五郎も仙三郎と同じ様に、刀の亡霊にとりつかれた二人の武士の夢を見ていたのです。
原來這兩人是幫同一條夢做了。
二人は二人ともが同じ夢を見ていた事に驚きましたが、やがてどちらからともなく言いました。
這兩人一哈就都驚了、連忙都跟到(馬上)港。
「今回の事は、わたしが悪かった。謝るから許して欲しい」
「いや、わしの方こそ悪かった。謝るのはわしの方だ」
我錯了我錯了是我的錯、不不不這回是我錯了、這就爭到港錯的是自己。
二人の若い侍は手を握り合って、仲直りしたそうです。
馬上又重新握手、重歸久好了。
おしまい
结束
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