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7月18日の百物語
(7月18日的日本鬼故事)
安珍清姫
安珍跟清姬
・日本語 ・日本語&中国語
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朗読者 ; 台湾居住者 Judy |
むかしむかし、安珍(あんちん)という名の若い旅のお坊さんが、紀州(きしゅう→和歌山県)の熊野大社(くまのたいしゃ)へお参りをする途中で日が暮れて困っていました。
到好久以前、有個喊安珍的年輕雲遊和尚、準備去紀洲(現和歌山縣)熊野大社參訪、路上天黑了。
「今夜の宿を、どこかに探さねば」
這就準備邏個地方落腳。
安珍は、庄屋(しょうや)の家に泊めてもらいました。
安珍就進到地主屋裡去了。
この庄屋の家には清姫(きよひめ)という一人娘がいて、疲れた安珍をやさしくもてなしました。
地主有個喊清姬的女、就對安珍倍感親切。
(素敵なお方)
清姬看上了和尚
(何と美しい娘だろう)
安珍也覺得清姬長得乖。
清姫と安珍は、すぐに心が惹かれあいました。
二人這一哈就走到一起去了。
しかし安珍は修行中で、女の人を好きになる事は許されません。
但是和尚不進女色。
(駄目だ、駄目だ! わたしは修行中の身、女人に心を奪われてはならぬ!)
安珍就刻意去壓抑自己的心情、莫讓自己胡思亂想。
でも安珍は旅立つ前、清姫にこう言いました。
但是安珍卻在臨走之前跟清姬留了一句話。
「熊野からの帰りには、必ずここに寄ります。・・・あなたに、会う為に」
從熊野回來之後、我會再來、只為與你見面。
「うれしい」
清姬好高興
次の日、安珍は無事に熊野大社へ着きましたが、熊野の僧侶(そうりょ)たちに心の迷いを見抜かれてしまいました。
次日、安珍也無事到達熊野的宮廟了、但卻被裡面的和尚一眼看出他的心事。
「安珍よ、仏の道を捨てると言うのであれば、何も言わぬ。だが、そうでないのなら、迷いから目を覚ませ!」
安珍啊、你要是現在還俗我甚麼都不得港、但若是要繼續為僧、就要斬斷自己心中掛念。
「確かに、わたしは修行中の身。女人に心を奪われるなど、あってはならぬ事」
確實、既捨塵世、又怎能為情所誤。
安珍は仏の道を選ぶと、清姫への思いを捨て去りました。
安珍捨棄對清姬的念想、一心向佛了。
そして清姫とは二度と会わない様に、帰りは別の道を行く事にしました。
也是為避免第二次的見面、回去時特別繞了遠路。
ところが清姫は安珍との約束を信じて、安珍の帰りを今か今かと待ち続けています。
但清姬認定安珍重諾、定會歸來、也是一直等到的。
「安珍さま。安珍さまは、いつ戻って来てくれるのかしら?」
安珍安珍何時歸
清姫は何日も何日も待ち続けましたが、ついに待ちきれなくなって家を飛び出すと、通りかかった旅人に声をかけました。
清姬是日日等、終是難耐思戀、出了門詢問過路旅人。
「あの、もし、熊野もうでの若い旅のお坊さまに、お会いになりはしませんでしたか?」
熊野參拜年輕和尚安珍、問是否有看到。
「ああ、その方なら知っております。確か、別の道を行かれたはず」
路人這就港是往別處走了。
「別の道を! あんなに固い約束をしたのに。まさか、そんなはずが」
其他地方!安珍寡信失約、清姬一時難以接受。
清姫は、夢中で街道を走り出しました。
清姬就開始到路上跑、一直跑啊跑。
朝も夜も休まず狂った様に走り続けて、そして日高川の渡し場まで来た時、ようやく安珍の姿を見つけたのです。
不休不止的到跑、早上黑夜、白天晚上、日高河擺渡處、短(劫)到安珍了。
「安珍さまー。安珍さまー」
安珍、安珍
這就呼起對方的名。
走って来る清姫に気づいた安珍は、頭を振って自分に言い聞かせました。
安珍發覺了趕來的清姬、擺了哈腦殼、下定決心。
(わたしは、修行中の身。清姫には、二度と会ってはならないのだ!)
也是斷不能在與清姬見面。
そして、船頭に言いました。
就對船老闆港。
「船頭(せんどう)さん。はっ、早く船を出してくだされ。早く、早く!」
要他快點開船
自分が追いかけているのを知っていながら船頭をせきたてる安珍を見て、清姫は驚きました。
看到刻意閃躲自己的安珍、清姬一時震愕。
「安珍さまーっ。なぜ、どうして」
安珍為何、為何啊。
清姫は自分から逃げて行こうとする安珍に悲しみ、やがてその悲しみが激しい憎しみへと変わっていったのです。
面對思念之人的疏遠、清姬越想越悲、越悲越氣、愛慕之情轉化為憎惡的怒火之心。
「安珍さま。これほど、これほど想っているのに、なぜ逃げるのです。・・・なぜ、なぜ逃げるのじゃ!」
為何躲避、為何躲閉、明明自己此刻是這种心情。
清姫は安珍が乗った船を追って、そのまま日高川へ飛び込みました。
清姬就那麼墜入日高河、追趕安珍去了。
そして安珍を追いかける清姫は、いつの間にか恐ろしい大蛇の姿になって川を渡っていたのです。
不時、原先的少女已化為一條大蛇、在河中追趕安珍。
「おのれ! にっくき安珍め!」
安珍、我好恨、好恨啊!
向こう岸に着いた安珍は船をおりると、夢中で走り出しました。
安珍靠了岸下船急走。
そしてその後を、大蛇になった清姫が追いかけます。
而後則是已經變身為大蛇追趕的清姬。
安珍は走りに走って、街道のそばにある道成寺というお寺に駆け込みました。
安珍跑啊跑、直至街邊的道成寺便停下了腳步、寺中藏身去了。
「恐ろしい大蛇に追われております! どうかわたしを、この寺へおかくまいください」
我被大蛇追趕、務必將我躲藏。
「それならば」
那便如此
お寺の人たちは釣鐘をおろして、その中に安珍をかくまってくれました。
僧人放下吊鐘、協助安珍隱匿其中。
釣鐘の中に身を隠した安珍は、静かにお経を唱え続けます。
安珍身藏鐘內、一心唸佛。
清姫の大蛇は道成寺の石段をうねうねと登ると、山門をくぐって安珍を探しました。
清姬上了石階、扣響廟門。
そしてついに、大蛇は安珍が隠れている釣鐘を見つけたのです。
好久、安珍躲藏之處、發現了。
「見つけた。いとしい人、もう離さない」
邏到了、已經不得讓你再離開了、我喜歡的人。
大蛇は釣鐘に体をグルグルと巻きつけると、大きな口からまっ赤な炎を吐き続けました。
大蛇盤起吊鐘、將火焰自口中噴吐。
炎でまっ赤に染まる釣鐘の中で、安珍は一心にお経を唱え続けます。
鐘身受火焰催化、亦現火紅之姿、安珍一心唸佛在其內。
(清姫よ、許してくれ! わたしにはあなたよりも、仏の道が大切なのだ!)
清姬、原諒我選擇的不是你!
(安珍さま、もう決して離さない。ずっと一緒よ)
再也不得離開了、我們要永遠到一起、安珍。
やがて安珍は炎でまっ赤になった釣鐘の中で、焼け死んでしまいました。
最後、安珍就這麼被烤死到吊鐘之中了。
おしまい
结束
おまけ
ささずんと昔話講座 第04話【安珍と清姫】
読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。
日本昔話を、ゆっくりの解説でずんちゃんとささらちゃんが学んでいくシリーズ。
おまけ
ささずんと昔話講座 番外編01話【美姫幻談】
読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。
知っているようで知らない日本昔話を、ゆっくりの解説でずんちゃんとささらちゃんが学んでいく動画です。
朗読者情報 台湾居住者 Judy
日本で20年の生活を経た後、本国の台湾に戻ったジュディーは日本と台湾の架け橋となり、通訳、翻訳、日本語教師を経験後、現在は日本語を使い、様々な分野の録音に携わっています。
台湾日文配音者です。
朗読に関するご意見ご要望はjudy.yen1204@gmail.comまでお願いいたします。
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