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      福娘童話集 > 百物語 > 七月 
      7月23日の百物語 
         (7月23日的日本鬼故事) 
          
         
山ネコを追い払ったご幣 
      靈禊祛山貓 
       
      ・日本語 ・日本語&中国語 
      
      むかしむかし、安芸の国(あきのくに→広島県)に、山芋(ヤマイモ)掘りの名人と呼ばれるおじいさんがいました。 
        到好久以前、安藝國(現廣島縣)有條挖山藥好厲害都出名了老頭子。 
         
      山芋は土深くに伸びているので上手に掘らないとすぐに折れてしまいますが、このおじいさんの手にかかれば、どんなに長い山芋も根元まできちんとそろっていて、しかも味が良いのです。 
        因山藥到好深的土裡面、就容易挖斷、但是這個公、不管是好長的山藥、都幫他帶到最底下的根一起刨出來、而且他還分的出那些山藥好跟不好。 
         
      ある日の事、おじいさんはネコ山と呼ばれる山へ出かけました。 
        有天、公就去了一條喊貓山的山。 
         
      このネコ山には人を襲う恐ろしい山ネコがいるとのうわさですが、それだけに誰も近づかないので、手つかずの山芋がたくさんあるのです。 
        聽港這貓山裡面有條好駭人的會吃人的山貓、所以那個都不願意來、也就是因為這個原因、山藥也是特別的多。 
         
      「山ネコが怖くて、うまい山芋が掘れるか」 
        怕貓就挖不到好山藥 
         
      おじいさんの思った通り、ネコ山には見事な山芋がいくらでもありました。 
        果然、這貓山上的山藥就是多 
         
      でも、夢中で掘り続けているうちに、もう辺りは真っ暗です。 
      爺就挖迷了、沒注意這天一哈就黑了。 
       
      「今夜は、ここで野宿をするか」 
      夜了、這就只能到山上歇了。 
       
      おじいさんは木の下に腰をおろすと、お弁当の握り飯を食べました。 
      爺靠樹睉(蹲)落來、這就開始吃帶過來的飯團子。 
       
      夜中になると山は静まりかえり、なに一つ聞こえてきません。 
      晚上這山好安靜、聽不到一點聲音。 
       
      さすがのおじいさんも気味悪くなり、横になっても寝つく事が出来ません。 
      這怎麼得這樣子啦、爺就感覺好詭異、躺到也不敢睡。 
       
      それでも、ようやくウトウトしはじめた時、突然に生臭い風が吹いてきて、おじいさんはハッと目を覚ましました。 
      這稍微有了一點困(睡)意、就漂過來一片腥風、爺一哈幫眼睛睜大了。 
       
      ふと見ると、黒くて大きな物が、おじいさんの上へ覆いかぶさる様に立っているのです。 
      這一哈、就一條黑色的龐然大物騎到爺身上了。 
       
      逃げようとしても金縛り(かなしばり)にあってしまい、おじいさんの体はピクリとも動きません。 
      想跑、中了定身術、一點都動不了。 
       
      (仕方がない) 
      稀爛 
       
      おじいさんは逃げるのをあきらめて、黒くて大きな物を見つめました。 
      爺也放棄掙扎了、就對到這條黑色的大傢伙看。 
       
      よく見るとそれは毛むくじゃらのけもので、金色にギラギラと光る二つの目を持っています。 
      仔細一觀察是條全身濃毛的野獸、兩顆眼睛閃到金光。 
       
      (こいつは、山ネコだ!) 
      是山貓! 
       
      山ネコはおじいさんに顔を近づけると、ヤスリの様にザラザラとした舌でおじいさんの体をなめ始めました。 
      山貓幫臉處(靠)進公、用那把像銼刀的有倒刺好刮人的舌頭就開始這裡舔哪裡舔。 
       
      (もう、なるようになれ) 
      爺這也只能聽天由命了。 
       
      おじいさんは覚悟を決めて目を閉じましたが、山ネコは、おじいさんの体をなめ回すばかりで、いっこうに食いつこうとはしません。 
        老頭子已經放棄掙扎閉起雙眼、但這山貓就是一直舔、覓一點要吃的意思。 
         
      しばらくすると、山ネコがくやしそうに言いました。 
      過一陣山貓港話了。 
       
      「誰かが、邪魔をしやがったな」 
      是那個到妨礙老子! 
       
      (・・・?) 
        ? 
         
        おじいさんは、何の事か分かりません。 
        公完全不清楚是甚麼路數(緣由) 
          
      山ネコは何度も大口を開けておじいさんに食いつこうとしますが、どう頑張ってもなめまわす事しか出来ないのです。 
      山貓好幾次做勢要幫爺大口吞了、但是再怎麼努力也只能舔上幾口。 
       
      「くそっ、どうしても食う事が出来ない!」 
      幹、這他媽怎麼都吃不到! 
       
      やがて山ネコはあきらめて、そのまま去ってしまいました。 
      山貓放棄、走了。 
       
      「助かった」 
        爺慶幸自己 
      撿回來一條狗命。 
       
      山ネコがいなくなって金縛りのとけたおじいさんは、ホッとして起き上がりました。 
      山貓一走、公的定身術也解了、站起來。 
       
      そして体を見てみると、いつの間にか体中に、ご幣(ごへい→紙を細く切ったもので、神社に祭ってある)の紙が巻きついていたのです。 
      這一看身上怎麼纏到有條靈禊哦。(就是巫女手上拿的那條) 
       
      「助かったのは、このご幣のおかげか」 
      公就認為是這靈禊救了自己一命。 
       
      夜が明けて山をおりたおじいさんは、そのご幣を持ってあちこちの神社をたずね歩きました。 
      天亮下山、帶到這個救命東西、這個宮廟那個宮廟去訪。 
       
      「すみません。このご幣は、こちらの物でしょうか?」 
      這是你們這裡的東西不? 
       
      しかし、どこの神社へ行っても、 
      問題是 
       
      「これは、うちの物でない」 
        都是不是自己這裡的。 
         
      と、言うのです。 
      おじいさんは仕方なく、村の氏神(うじがみ→住む土地の守り神)さまになっている神社へ行きました。 
      公最後跑到地界神的宮廟。 
       
      「これは、山ネコからわたしの命を助けてくれたご幣です。どこの物か分からないので、ここで預かってほしいのですが」 
      就港這是救了自己一命的靈禊、也不曉得到底是那個宮廟裡面的東西、這就寄存到這裡吧。 
       
      「はい、いいですよ。・・・うん? これは、うちのご幣だ」 
      好、不過這好甚一看、不就是自己屋的嗎。 
       
      神主さんが驚いて神社の中を調べてみると、やっぱりご幣がなくなっています。 
      管事的人一時驚愕、進到放置靈禊位置的地方一看、果然已經不見了。 
       
      「なんと、氏神さまのご幣だったのか」 
      原來這是地界神的東西 
       
      おじいさんは喜んで、氏神さまにご幣をお返ししました。 
      公邏到主人也是歡喜。 
       
      その後、この神社は山ネコを追い払ったご幣の氏神さまという事で有名になり、山仕事へ行く人はみんな、この神社へお参りをする様になったという事です。 
      後面因這事流傳、這個地界神宮廟也變得隆盛起來、進山之前都要參拜一哈、先保平安。 
      おしまい 
        结束 
         
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