| 
       | 
      | 
     
      福娘童話集 > 百物語 > 七月 
      7月25日の百物語 
         (7月25日的日本鬼故事) 
          
         
亡者道 
亡者道 
 
・日本語 ・日本語&中国語 
       
      ※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先 
      
       
      投稿者 「ひさこばあば」  ひさこばあばのむかしむかし ブログ:80代万歳(もうすぐ90代) 
      
      むかし、乗鞍岳(のりくらだけ)の西ふもとにある千町が原に、猟が好きな百姓の平十郎(へいじゅうろう)がいました。 
        到好久以前、乗鞍岳西邊的山腳處、千町原、有個喜歡打獵的平十郎。 
         
      平十郎は秋の刈り入れが終わると、さっそく大好きな猟へと出かけました。 
      十郎秋天收完稻、這就馬上打獵去了。 
       
      平十郎が出かけた猟場は、青屋(あおや)から平金(ひらがね)に通じる乗鞍岳のふもとの、桜が岡(さくらがおか)という亡者道(もうじゃみち)です。 
      平十郎喜歡去的獵場、是青屋至平金、乗鞍岳山腳、一條喊桜岡的亡者道。 
       
      亡者道とは死んだ人間があの世へ行く時に通る道で、地元の人は怖がってめったに近寄らないさびしいところです。 
      亡者道就是活人變成死人去另外一個世界走的那條道、因為旁人都懼怕這個地方、也是荒涼。 
       
      ですが平十郎は気にする様子もなく、のんきにかすみアミを張ってツグミをとっていました。 
      但十郎不在意這些、放他的網捉他的鳥。 
       
      「霧が出てきたな」 
        這就一陣白霧。 
         
      小屋の中から様子を見ていると、白い霧の中を何かが通り過ぎ、かすみアミの方から人の叫び声が聞こえてきました。 
      自己就到小房子裡面看、霧裡面有甚麼到通過、放網的地方就聽到人的叫喊聲了。 
       
      (いけねえ、誰か引っかかったな) 
      是那個幫我網子刮到了啊 
       
      平十郎が小屋から出てかすみアミに近づくと、何と、かすみアミに人間の生首が何個もかかっていたのです。 
      十郎出屋子一看、網子上掛了好幾個人頭。 
       
      そして生首は平十郎に気づくと、 
      這些個人頭看十郎來 
       
      「・・・平十郎、・・・平十郎」 
      十郎!十郎! 
       
      と、口々に叫び出しました。 
        這就盡(一直)到喊他名字 
         
      びっくりした平十郎はあわてて小屋に戻ると、震える手で小屋の戸を閉めてカギをかけました。 
      幫十郎骸了個卵卯翻天、到了小屋、手一跳一跳的、快點幫門打反鎖。 
       
      (何なんだ、あれは?!) 
      那是條甚麼卵!? 
         
      腰が抜けた平十郎が、その場でブルブル震えていると、あの生首たちがふわふわと空中を漂いながら、 
      十郎著骸破狗膽、全身都一直到搖、那些個腦殼就開始到天上飄啊瓢啊瓢起來了。 
       
      「平十郎、平十郎」 
        十郎、十郎 
         
        と、言いつつ、小屋の方へと近づいてきます。 
        邊喊他名字邊往小屋旁邊靠。 
       
      平十郎が窓の外を見ると、空中に浮かんだ生首たちが平十郎を見てニヤリと笑いました。 
        十郎就從窗戶對外面看啊、那些個空中飛起來的腦殼、就對十郎認到的、陰笑。 
         
      (神さま、仏さま、ご先祖さま。助けてくだせえ~) 
      十郎這些求神拜佛了、甚麼菩薩啊、觀音啊、佛祖啊、都念出來了。 
       
      生首たちはカギのかかっていない窓を口で開けると、次々と小屋の中に入ってきました。 
      飛天腦殼就用嘴巴幫覓(沒)上鎖的窗戶過搞開了、一條一條往屋子裡面來。 
       
      そして大口を開けて、平十郎に襲いかかろうとしています。 
      這就血盆大口對到十郎咬。 
       
      (神さま、仏さま、ご先祖さま。助けてくだせえ~!!) 
      佛菩薩觀音、十郎嘴巴裡面這些甚麼都覓變、這就是他的掙扎。 
       
      そして生首たちが平十郎に噛み付こうとしたその時、生首は平十郎に噛み付く直前で動きを止めると、いまいましそうに言いました。 
      這肉就要咬到嘴巴裡面的時候、腦殼們又覓得行動了、這就好不痛快的港。 
       
      「お前は三日前に、仏さまのお下がりを食ったな。・・・くやしいが、わしらでは捕える事が出来ん」 
      你三天前和佛祖一起吃過飯了、這惱火啦、暫時動不了你。 
      (上貢的貢品俸完之後撤貢再吃、或者同時進行、上貢神饌本身就有种人神共食的意思到裡頭) 
       
      やがて霧が晴れると、恐ろしい生首たちはどこかに消えていました。 
      這就霧氣消散、那些個駭人的腦殼也不曉得去哪裡了。 
       
      助かった平十郎は転がる様に山を降りて、無事に自分の家へと戻りましたが、それから原因不明の高熱を出して何日も寝込んだという事です。 
      十郎撿回一條狗命、連滾帶爬的下山了、好不容易覓事歸了屋、這身體就不舒服的莫名、到屋裡躺了好多天。 
      おしまい 
        结束 
         
        (回到上一页) 
         
        
 
     | 
      | 
    
      
       |