昔話の英語《福娘童話集》昔話の英語 Japanese & English昔話の英語《福娘童話集》 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
 


福娘童話集 > 百物語 > 八月

8月6日の百物語
(8月6日的日本鬼故事)
もの言う布団

ものを言う布団
鋪蓋港話

日本語 ・日本語&中国語

※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

投稿者 「櫻井園子」  櫻井園子エス代表 《櫻井園子キャンドルWEB販売》

※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

投稿者 「つれづれ居士」  つれづれ居士

♪音声配信(html5)
朗読者 ; スタヂオせんむ

むかしむかし、因幡の国(いなばのくに→鳥取県)の町に、小さな宿屋がありました。
到好久以前、因幡国(現鳥取縣)街上、有個小旅店搭到哪裡的。

ある冬の晩の事。
有個冬天的晚上

この宿屋に泊まった男が、真夜中に人の声がしたので目を覚ましました。
男的到旅館裡面睡、這半夜因為聽到人的聲音所以就醒過來了。

「兄さん、寒かろ」
哥、冷吧?

「お前、寒かろ」
你冷吧?

それは、ささやく様な子どもの声です。
這就到你旁邊細語樣的。

「はて、どこの子どもだろう? この部屋には、誰もいないはずだが」
這是那屋小兒到叫、這屋裡面覓(沒)人啊

男は布団を抜け出して、隣の部屋の様子をうかがってみました。
男的出了鋪蓋、到旁邊房間看哈子。

「・・・・・・」
しかし、物音一つ聞こえてきません。
裡面安安靜靜的啊

「おかしいな? 確かに聞こえたはずだが」
怪事、明明我聽到了啊

男がもう一度布団にもぐってねむろうとすると、今度は耳元ではっきりとささやいたのです。
男的又進到鋪蓋準備躺落去的時候
這是耳邊聽到清清楚楚。


「兄さん、寒かろ」
「お前、寒かろ」
哥你冷不冷啊
你也冷


男はびっくりして飛び起きると、急いで行灯(あんどん)の灯をつけましたが、部屋には誰もいません。
男的一哈彈起來、摸黑幫燈點起來、屋裡面是覓得一個人。

聞こえて来るのは、自分の心臓の音だけです。
就聽到自己心臟到達達達的響。

男は行灯をつけたまま、横になりました。
男的這次點燈睡。

するとまたしても、悲しい、ささやくような声がするのです。
這就低吟又來了

「兄さん、寒かろ」
「お前、寒かろ」
冷吧
你冷吧


何とその声は、かけ布団の中から聞こえて来るではありませんか。
這聲音來源不就是到鋪蓋裡面啊。

男は布団を払いのけると、転がる様に部屋を飛び出して、宿屋の主人のところへ駆けつけました。
男的幫鋪蓋一揭、連滾帶爬、往店老闆那邊跑。

「た、大変だ! 布団がものを言い出した!」
我日!你屋鋪蓋會港話!

「はあ? そんな馬鹿な。お客さんは、夢でも見ていたんでしょう」
怎麼可能麻、我看你肯定是到做夢。

「夢ではない! 本当に、布団がものを言ったんだ!」
覓!你屋鋪蓋是真的會港話!

「はいはい。夢とは、そういうものですよ」
夢到甚麼其實都是正常的。

「だから、夢ではない!」
我都港覓做夢了。

男がいくら説明しても、宿屋の主人はとりあってくれません。
男的港的這些、店家都不怎麼關注。

それどころか、しまいには腹を立てて、
自己還開始發火了

「縁起でもない! 悪いが、出て行ってもらいましょう!」
自己運氣不好是碰到甚麼怪人、要趕別個出去了。

と、男を宿屋から追い出してしまったのです。
男的這就被趕出去了。

ところが次の晩、同じ部屋に泊まった客が真夜中に逃げ出して来て、やっぱり同じ事を言うのです。
這第二天來條客人也是住那條房、又是幫同樣的事港一篇。

「おかしな客が、二度も続くとは。・・・まさか、本当に幽霊がいるはずは」
我是碰到鬼了啊、怎麼連續來二條癲子。

気になった主人はその部屋に行き、しばらく布団のそばに座ってみました。
店家有點在意自己就去看哈子、人就坐到鋪蓋旁邊的。

すると、かけ布団から、ささやくような声が聞こえて来たのです。
這低語就過來了。

「兄さん、寒かろ」
「お前、寒かろ」
你冷
你冷不冷


びっくりした主人は、青くなって部屋から飛び出しました。
店家著一哈骸癲神了、臉一白、飛奔。

「や、やっ、やっぱり。ほっ、本当だったのか。それにしても、こんな布団を売るなんて、とんでもない店だ!」
我日!是那個賣這條鋪蓋跟我過、還真有這種鬼事。

次の日、主人はさっそく布団を買った古着屋へ、文句を言いに出かけました。
第二天店老板去邏賣他鋪蓋的二手鋪子、邏他麻煩去了。

そこで主人は、この布団にまつわる、とても悲しい話を聞かされたのです。
這也就曉得了這鋪蓋的悲慘的過往。

何でもこの町のはずれに、貧しい四人の親子が住んでいたのですが、何日か前に病気で寝込んでいた父親が亡くなり、続いて母親までも亡くなったのです。
這街邊上、一屋四口人、窮、前幾天害病的老頭死了、這媽也跟到落去了。

あとには、六歳と四歳の兄弟だけが残されました。
就個四歲跟六歲的小兒。

身寄りのない兄弟は、その日その日の食べる物もなく、たった一枚残された布団にもぐって、じっと寒さとひもじさに震えていました。
二弟兄覓得個寄託、天天覓東西吃、就窩到一床鋪蓋裡面、就餓到裡面冷到裡面發彷(抖)

「兄さん、寒かろ」
哥、冷吧

やさしい弟が、布団を兄にかけてやろうとすると、
弟關心哥哥就幫鋪蓋過哥哥披到

「お前、寒かろ」
你也冷

と、兄がその布団を、弟の方にかけてやります。
哥又幫鋪蓋過弟弟

けれども強欲な家主がやって来て、家賃の代わりに、たった一枚の布団まで取りあげた上、二人を家から追い出してしまったのです。
但是後面收租的房東來了、取走這最後一床鋪蓋抵了房租、就過幫兩弟兄趕出去了。

何日も食事をしていない二人には、もう歩く力もありません。
東西覓得吃也走不動路。

そして雪の降る夜、近くの家の軒下で抱き合いながら死んでいったのです。
晚上又下雪、就過抱到一起死別個屋簷底下了。

この事を知った町の人たちは、かわいそうな兄弟を近くの観音さまにほうむってやったのです。
這事後面大家都曉得了、就幫兩兄弟貢到附近的觀音廟裡面的。

「そうだったのか。・・・かわいそうになあ」
是這麼個脈絡啊、也是著孽。

宿屋の主人は観音さまにお参りをして、かわいそうな兄弟の為に、お坊さんに来てもらってあらためてお経をあげてやる事にしました。
旅店老闆自己又重新訪了遍廟堂、請和尚又是重新幫這兩兄弟超度了遍

それからというもの、この布団は何も言わなくなったそうです。
後面這鋪蓋也就覓在港話過了

おしまい
结束

前のページへ戻る
(回到上一页)

     8月 6日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
ハムの日
きょうの誕生花
百日草(ひゃくにちそう)
きょうの誕生日・出来事
1946年 堺正章(タレント)
恋の誕生日占い
おしゃれセンスとスタイルが抜群の優しいお姉さん
なぞなぞ小学校
しわが多いほど若者で、つるつるになると年寄りなのは?
あこがれの職業紹介
歯科技工士
恋の魔法とおまじない 219
恋愛運アップのおまじない
  8月 6日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
若者になったおじいさん
きょうの世界昔話
親指姫
きょうの日本民話
そば喰い像
きょうのイソップ童話
ゼウスとキツネ
きょうの江戸小話
かがみみせ
きょうの百物語
ものを言う布団
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識